米資産運用大手のグレースケール・インベストメンツは、2026年第1四半期の運用ファンドのリバランス結果を公表しました。今回の調整では、分散型金融(DeFi)に特化したファンドからAerodrome Finance(AERO)が除外され、新たにEthena(ENA)が組み入れられています。この変更は、市場環境の変化に合わせてポートフォリオを最適化する同社の戦略を反映したものです。
DeFi Fundにおける構成銘柄の刷新とEthenaの採用
グレースケールのDeFi Fund(DEFG Fund)では、今回のリバランスに伴いAerodrome Finance(AERO)がポートフォリオから完全に削除されました。AEROは2025年第3四半期にMakerDAO(MKR)に代わって採用されていましたが、今回の調整でその役割を終えることとなりました。
代わって新たに採用されたのは、イーサリアムを基盤とした合成ドル(USDe)プロトコルであるEthenaのガバナンストークン、ENAです。ENAは13.59パーセントの比率で組み入れられました。また、既存銘柄の中では、現物資産(RWA)のトークン化を扱うOndo Finance(ONDO)の比率が14.10パーセントから19.83パーセントへと大きく引き上げられた点が特徴的です。
2026年5月1日時点でのDeFi Fundの主な構成銘柄と比率は以下の通りです。
- Uniswap(UNI):35.22パーセント
- Aave(AAVE):21.36パーセント
- Ondo(ONDO):19.83パーセント
- Ethena(ENA):13.59パーセント
- Curve(CRV):5.27パーセント
- Lido DAO(LDO):4.73パーセント
最大構成銘柄であるUniswap(UNI)やAave(AAVE)の比率は、前回のリバランス時と比較して縮小しています。
Smart Contract Fundではイーサリアムが首位に返り咲き
スマートコントラクト・プラットフォームに特化したファンド(GSC Fund)においても、既存の構成銘柄間での比率調整が行われました。特筆すべきは、イーサリアム(ETH)がソラナ(SOL)を抜き、再び最大の構成比率を持つ銘柄となったことです。
2026年1月時点ではソラナが首位に立っていましたが、今回のリバランスによりイーサリアムが30.14パーセント、ソラナが29.69パーセントとなりました。このほか、Cardano(ADA)やAvalanche(AVAX)、Sui(SUI)などの銘柄も引き続きポートフォリオに含まれていますが、SUIの比率が8.55パーセントから7.11パーセントへ低下するなど、一部の銘柄で構成比の減少が見られました。
機関投資家向けポートフォリオの成熟化
今回のリバランスは、CoinDeskが提供する指数の選定基準に基づいて実施されました。グレースケールのような大手資産運用会社が定期的に銘柄を入れ替える仕組みは、デジタル資産が機関投資家向けの投資商品として成熟していることを示唆しているとされています。
特定のセクター(DeFiやスマートコントラクト)を指数化し、定期的なリバランスを通じてポートフォリオを更新し続けることで、変化の速いブロックチェーン業界の動向を機関投資家の投資基準に適した形で反映させる狙いがあると見られます。
ポイント
- グレースケールが2026年第1四半期のリバランスを完了し、5月1日付で新構成比率を適用しました。
- DeFi FundからAerodrome Finance(AERO)が除外され、新たにEthena(ENA)が13.59パーセントの比率で追加されました。
- DeFi Fund内ではOndo Finance(ONDO)の比率が大幅に上昇し、主要銘柄としての存在感を強めています。
- Smart Contract Fundでは、イーサリアム(ETH)の比率がソラナ(SOL)を上回り、再び最大構成銘柄となりました。
- 定期的なリバランスは、デジタル資産市場が機関投資家向けに体系化され、成熟している過程を示すものとして注目されます。