暗号資産窃盗グループのメンバーに禁錮78ヶ月の判決、物理的な強盗にも関与

米国ワシントンD.C.の連邦地方裁判所は、暗号資産を標的とした大規模な窃盗グループに関与したとして、カリフォルニア州サンタアナ出身のMarlon Ferro被告(20歳)に対し、78ヶ月(6年6ヶ月)の禁錮刑を言い渡しました。同被告はオンライン上で「GothFerrari」という名称で活動し、ソーシャルエンジニアリングを用いた詐欺に加え、物理的な住宅侵入による窃盗にも及んでいました。この事件は、サイバー空間での犯罪が現実世界の暴力的な犯罪へとエスカレートするリスクを明確に示しています。

判決の内容と犯罪組織の活動実態

暗号資産窃盗グループのメンバーに禁錮78ヶ月の判決、物理的な強盗にも関与

裁判所はMarlon Ferro被告に対し、禁錮刑に加えて250万ドルの賠償金支払いと、出所後3年間の監視付き釈放を命じました。同被告が所属していた犯罪組織は、2023年後半から2025年初頭にかけて、全米の被害者から合計2億5,000万ドル(約380億円以上)を超える暗号資産を盗み出したとされています。

この組織は、データベースのハッキング、標的の特定、虚偽の電話によるソーシャルエンジニアリング(相手を欺いて情報を引き出す手法)、マネーロンダリングなど、高度に専門化された役割分担を行っていました。盗まれた資金は、高級車の購入やナイトクラブでの多額の支払い、プライベートジェントのレンタルといった贅沢な支出に充てられていたことが判明しています。

「最終手段」としての物理的強盗

Ferro被告は組織内において、オンラインでの欺瞞工作が失敗した際の「最終手段」としての役割を担っていました。共犯者がオンライン上で被害者を騙してウォレットのアクセス権を奪えなかった場合、同被告が直接被害者の自宅に赴き、ハードウェアウォレット(暗号資産をオフラインで保管する専用デバイス)を物理的に盗み出していました。

具体的な犯行事例として、2024年2月にテキサス州の住宅に侵入し、当時500万ドル以上の価値があった約100BTCを保管するハードウェアウォレットを奪った事実が挙げられています。また、同年7月にはニューメキシコ州でも同様の犯行を試み、監視カメラにその姿が捉えられていました。同被告は単なる実行犯としてだけでなく、盗んだ資産の洗浄や、逮捕された組織リーダーの弁護士費用を捻出するための資金回収にも関与していたとされています。

ポイント

  • 暗号資産窃盗グループのメンバーであるMarlon Ferro被告(20歳)に禁錮78ヶ月の判決が下されました。
  • 250万ドルの賠償金支払いと3年間の監視付き釈放も併せて命じられています。
  • オンラインでの詐欺が失敗した際、物理的に住宅へ侵入してハードウェアウォレットを奪う役割を担っていた点が特徴的です。
  • サイバー犯罪が物理的な暴力や住居侵入へと発展する、業界にとって極めて深刻なリスクを浮き彫りにしました。
  • 当該グループは1年余りの期間に、全米で2億5,000万ドル以上の暗号資産を不正に取得したとされています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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