米ホワイトハウスは、暗号資産市場の包括的な規制枠組みを定める「クラリティ法案(CLARITY Act)」について、2026年7月4日の米国独立記念日までの成立を目指す目標を設定しました。この法案は、商品先物取引委員会(CFTC)と証券取引委員会(SEC)の間で管轄権を明確に分割し、連邦レベルで初となる暗号資産規制の枠組みを構築することを目的としています。現在は大統領関連の倫理規定が主な争点となっており、超党派での合意形成に向けた最終調整が進められています。
成立に向けたスケジュールと管轄権の整理
大統領デジタル資産諮問委員会のパトリック・ウィット事務局長は、2026年5月7日にマイアミで開催されたカンファレンス「Consensus」において、本法案の成立目標を明らかにしました。計画では、6月中に上院で法案を前進させ、昨年すでに独自の法案を可決している下院との間で内容を一本化するための期間を確保する見通しです。
本法案の最大の目的は、これまで不透明だった暗号資産に対する規制権限を、商品(コモディティ)を管轄するCFTCと、証券を管轄するSECの間で適切に分割することにあります。これにより、米国におけるデジタル資産市場の法的確実性を高めることが期待されています。
焦点となる倫理規定と政治的な合意形成
現在、法案成立に向けた最大の課題の一つとして浮上しているのが、政府高官や政治家に対する倫理規定の策定です。一部の上院民主党議員は、トランプ大統領やその家族によるミームコインの立ち上げ、および分散型金融(DeFi)プロジェクト「ワールド・リバティ・ファイナンシャル」への関与といった活動に対し、強い懸念を表明しています。
法案の推進派であるキルステン・ジリブランド上院議員は、厳格な倫理規定の条項が設けられない限り、法案を支持しない意向を示していると報じられています。これに対しウィット氏は、特定の個人を標的とするのではなく、大統領から議会のスタッフに至るまで一律に適用される包括的な規則の策定に向け、民主党との協議が進展していると説明しました。
ステーブルコイン規制と業界の反応
法案のもう一つの重要な要素であるステーブルコイン規制については、先週提示された妥協案によって、これまで争点となっていたステーブルコイン報酬の扱いが解決に向かっているとされています。この進展により、上院銀行委員会での審議が前進する可能性が高まっています。
一方で、一部の銀行業界団体からは、現在の規制案の内容が不十分であるとの指摘も出ています。ホワイトハウスは、米国の建国250周年という節目に合わせ、市場の健全な発展を支えるためのルール作りを急ぐ姿勢を鮮明にしています。
ポイント
- 2026年7月4日の米国独立記念日を目標に、暗号資産市場構造法(クラリティ法)の成立を目指しています。
- CFTCとSECの管轄権を明確に分けることで、連邦レベルで初となる包括的な規制枠組みの構築を目的としています。
- 大統領や政府高官による暗号資産活動を制限する倫理規定の策定が、法案可決に向けた重要な焦点となっています。
- ステーブルコイン報酬に関する妥協案は進展を見せていますが、銀行業界からは規制の不十分さを指摘する声も残っています。
- 本法案の成立は、米国におけるデジタル資産の法的地位を確立し、業界全体の透明性を高める重要な一歩になると見られます。