レイヤー1ブロックチェーン「Aptos(アプトス)」の開発を主導するアプトス財団とアプトス・ラボは、エコシステム全体の開発に5000万ドル(約77億5000万円)超を投じる方針を発表しました。この投資は、AIエージェント向けのインフラ構築と研究、および機関投資家向け市場の育成を主な目的としています。自律型エージェントによる高度なオンチェーン経済の実現を目指す、大規模な投資計画となります。
AIエージェント経済の構築と専用インフラの整備
アプトス財団らは、人間を上回る頻度でオンチェーン取引を行う「自律型エージェント」の普及を予測しています。こうしたエージェント型経済を支えるためには、サブセカンド(1秒未満)のファイナリティ(取引の確定)や、24時間365日の稼働に耐えうる信頼性が前提条件になるとの見方を示しています。
今回の資金は、アプトスの技術スタックにおける複数のプロジェクトに充てられる予定です。具体的には、アプトス・ラボが開発しメインネット上で稼働しているパーペチュアル取引所(期限のない先物取引所)である「Decibel」や、AIエージェントが必要とするデータ需要に対応する分散型ストレージ「Shelby」が重点対象に含まれています。Decibelはすでに累計取引高が10億ドルを突破しており、エコシステムの主要な構成要素となっています。
機関投資家の参入を促す技術ロードマップとAPTトークンの役割
エコシステムの拡大に向け、機関投資家のフローを取り込むための技術的なアップデートも計画されています。具体的には、フロントランニング(第三者が取引情報を先回りして注文を出す不正行為)を技術的に防ぐ「暗号化メンプール」の導入や、伝統的な金融機関が利用する通信規格であるFIXおよびCCXTへの接続対応が挙げられています。
また、ネットワークの堅牢性を高めるため、単一障害点を排除する「マルチリーダー型コンセンサス(合意形成アルゴリズム)」や、取引の秘匿性を備えたパーペチュアル取引の実現も目指しています。
これらのネットワーク需要を支えるネイティブトークンのAPTは、以下の3つの役割を担うことで、需要と供給のバランスを維持する仕組みとなっています。
- 取引ごとのバーン(焼却)による供給量の調整
- 特定機能へのアクセス権
- ステーキングによるネットワーク性能の拡張
アプトスは、ネットスターズとのWeb3決済普及に向けた提携や、日本国内での活動拠点となる「Aptos Japan」の展開など、ビジネス面での基盤整備も並行して進めており、今回の投資によって技術と市場の両面からエコシステムの成長を加速させる構えです。
ポイント
- アプトス財団とアプトス・ラボが、AIエージェントと機関投資家向け市場の育成に5000万ドル超を投資することを決定しました。
- 人間を越える頻度で取引を行うAIエージェントの活動を支えるため、1秒未満で取引が確定する高速なインフラ整備を重視しています。
- 分散型ストレージ「Shelby」や取引所「Decibel」など、AIエージェントや機関投資家が利用する具体的なプロジェクトを支援します。
- 暗号化メンプールやFIX接続の導入により、機関投資家が安心して参入できる技術環境の構築を目指しています。
- APTトークンに焼却や性能拡張の役割を持たせることで、ネットワークの利用拡大とトークンの価値を直結させる設計となっています。