金融機関や自治体向けにITソリューションを提供する株式会社アイティフォーは、2026年5月11日、ブロックチェーン技術を活用したデジタル資産承継プラットフォーム「デジシェア」の提供を開始しました。このサービスは、利用者が自身の金融資産やSNSアカウントなどの情報を登録し、あらかじめ設定した条件に基づいて家族等へ共有できる仕組みです。記録の信頼性を担保するためにエンタープライズ向けブロックチェーンが採用されており、デジタル遺産の適切な管理と承継を支援します。
サービスの内容と開発の背景
デジシェアは、個人が利用するスマートフォンアプリと、サービスを導入する企業や団体が利用するWebアプリを組み合わせたB2B2C型のプラットフォームです。利用者は金融資産や各種契約情報のほか、SNSアカウントのログイン情報、家族へのメッセージなどをアプリ上に登録できます。これらの情報は、利用者が事前に設定した特定の条件に応じて、指定された家族などへ安全に共有されます。
本サービスの開発には、アイティフォーが2024年に熊本県で実施した、ブロックチェーン活用の「電子終活ノート」に関する実証実験で得られた知見が活かされています。地方自治体との連携による検証を経て、実用的なデジタル資産承継の手段として製品化されました。
採用技術と信頼性の確保
プラットフォームの基盤技術には、株式会社chaintope(チェーントープ)が提供するエンタープライズ向けブロックチェーン「Tapyrus(タピルス)」が採用されています。Tapyrusは、記録された内容の改ざんを検知する機能を持っており、承継情報の信頼性を高める目的で活用されています。
資産承継という正確性と透明性が求められる領域において、ブロックチェーンの改ざん耐性を活用することで、情報の正当性を担保し、利用者が安心してデータを預けられる環境を構築しています。
今後の事業展開と導入目標
アイティフォーは今後、金融機関や地方自治体を中心に、医療・福祉機関、一般企業などへの導入を見込んでいます。具体的な事業目標として、年間6件の受注、5年間で累計30件の受注を目指すとしています。
デジタル化の進展に伴い、オンライン上の資産やアカウントの承継は社会的な課題となっており、ブロックチェーン技術を用いた本サービスがその解決策の一つとなる可能性があります。
ポイント
- 金融資産やSNSアカウント、家族へのメッセージを、設定した条件に基づき共有できるB2B2C型サービス
- 株式会社chaintopeのブロックチェーン「Tapyrus」を採用し、改ざん検知による情報の信頼性を向上
- 2024年に熊本県で実施された「電子終活ノート」の実証実験で得た知見をもとに開発
- 金融機関、自治体、医療・福祉、一般企業を対象に、5年間で30件の受注を目指す計画
- デジタル遺産の承継という現代的な課題に対し、ブロックチェーン技術で実用的な解決を図る取り組みの事例となる点に注目されます