日本の暗号資産規制が金商法へ移行の見通し、JVCEAは上場審査の独立性を強化

自民党のブロックチェーン推進議員連盟は2026年5月11日、暗号資産規制を現在の資金決済法から金融商品取引法(金商法)の下へ移行させる方針と、それに伴う業界団体の体制強化策について議論を行いました。金融庁は利用者保護の徹底を目的とした制度改正の方向性を示し、早ければ2027年夏ごろの施行を目指しています。これを受け、JVCEA(日本暗号資産等取引業協会)は上場審査の独立性を高めるための「第三者委員会」設置を含む大規模な組織再編案を提示しました。

金商法移行による規制強化と2028年からの新税制

日本の暗号資産規制が金商法へ移行の見通し、JVCEAは上場審査の独立性を強化

金融庁は、暗号資産を「有価証券とは異なる金融商品」と位置づけた上で、金商法の枠組みに移行させる制度改正案を説明しました。この改正には、無登録業者への対応強化、情報の公表規制、交換業者への規制強化に加え、インサイダー取引規制を含む不公正取引の禁止が盛り込まれる方針です。

施行スケジュールについては、今国会で関連法案が成立した場合、2027年夏ごろまでの施行を見込んでいます。また、業界が長年要望してきた申告分離課税については、金商法への移行を前提として2028年1月からの適用を想定していることが明らかになりました。

JVCEAの組織再編と「暗号資産審査委員会」の設置

認定自主規制団体であるJVCEAは、法改正を見据えた体制強化策を報告しました。最大の変更点は、暗号資産の上場や維持の審査を行う「暗号資産審査委員会」の設置です。この委員会は、会員企業の理事が関与しない独立した「第三者委員」によって構成され、審査の専門性と中立性を確保する体制を目指します。

あわせて、JVCEAは自主規制機能と政策提言機能を明確に区分する組織再編案を提示しました。現在約30人の職員体制については、2028年3月期までに70人規模へ拡大し、不公正取引の監視や利用者保護の体制を抜本的に強化する方針です。

オンチェーン金融とDeFiへの柔軟な規制検討

会合では、資産の流通や取引がブロックチェーン上で完結する「オンチェーン金融」も主要なテーマとなりました。自民党内では「次世代のAI・オンチェーン金融構想PT」が新設されており、デジタル証券(セキュリティトークン)を前提とした新たな金融インフラの社会実装に向けた制度整備が進められています。

また、DeFi(分散型金融)やAIエージェントなどの自律的なサービスについては、イノベーションを阻害しないよう、利用実態やリスクに応じて「段階的かつ柔軟に」規制の在り方を検討・更新していくべきであるとの提言がまとめられました。

ポイント

  • 暗号資産規制が資金決済法から金商法へ移行し、2027年夏ごろまでの施行を目指す方針です。
  • 申告分離課税の適用は、金商法移行後の2028年1月からとなる見通しが示されました。
  • JVCEAは上場審査の独立性を高めるため、会員理事が関与しない「第三者委員会」を設置します。
  • JVCEAの職員数は2028年3月期までに現在の2倍以上となる70人規模へ拡大される計画です。
  • オンチェーン金融やDeFiに対し、リスクに応じた段階的かつ柔軟な規制の導入が検討されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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