米ホワイトハウスによる「戦略的ビットコイン準備金(Strategic Bitcoin Reserve)」の正式発表が間近に迫っていることが報じられました。デジタル資産大統領諮問委員会の事務局長であるパトリック・ウィット氏によると、準備金設立に向けた主要な法的問題はすでに解消され、資産の適切な保護と法的に確実な運用体制の構築において画期的な進展があったとされています。この動きは、国家が主導して暗号資産を安全に管理し、恒久的な準備資産として位置づけるための重要な一歩となる可能性があります。
準備金設立の背景と法的課題のクリア
米国の「戦略的ビットコイン準備金」は、トランプ大統領が昨年3月に署名した大統領令に基づいて設立されました。それ以降、関連省庁が連携して法的権限の整理や暗号資産を安全に管理するためのシステム整備が進められてきました。デジタル資産大統領諮問委員会の事務局長であるパトリック・ウィット氏は、これまで設立の壁となっていた主要な法的問題が解消されたことを明らかにしています。
米国政府は、過去のシルクロード事件や2022年のBitfinexハッキングなどのサイバー犯罪による押収を通じて、世界のビットコイン総供給量の約1.6%にあたる推定32万8372BTCを保有しているとされています。現在の大統領令により、これらの資産の売却は禁じられています。
保管体制の強化が急務とされる理由
国家レベルで暗号資産を厳格に保管する体制の構築は、セキュリティの観点からも急務となっています。2024年10月と2025年後半には、連邦保安官局(USMS)が管理する口座から、政府の請負業者が総額7000万ドル(約110億6000万円、1ドル=158円換算)規模の暗号資産を盗み出す事件が発生しました。ウィット氏はこの事件に言及し、国家レベルの強固なセキュリティを備えた準備金の必要性を強調しています。
「米国準備金近代化法(ARMA)」による恒久的な法制化の動き
現在の大統領令による措置は、将来の政権交代によって覆されるリスクがあるため、連邦議会では恒久的な法制化への動きも並行して進んでいます。
ニック・ベギッチ下院議員は、関連法案を「米国準備金近代化法(ARMA)」として再編し、財務省が5年間で毎年最大20万BTCを購入し、最低20年間保有する仕組みを推進しています。また、シンシア・ルミス上院議員も、夏の休会前の採決を目指して議会での調整を急いでいるとされています。
この法案が可決されれば、早ければ今年10月にも財務省による市場でのビットコイン購入が始まると報じられており、国家による直接的な市場介入と長期保有のメカニズムが確立されることになります。
ポイント
- ホワイトハウスによる「戦略的ビットコイン準備金」の正式発表が間近に迫っており、設立における主要な法的課題が解消されたとされています。
- 米国政府はサイバー犯罪の押収資産として推定32万8372BTC(世界の総供給量の約1.6%)を保有しており、大統領令により売却が禁じられています。
- 連邦保安官局の口座から政府請負業者が暗号資産を盗み出す事件が発生したことを受け、国家レベルの強固なセキュリティ体制の構築が急務となっています。
- 政権交代による方針転換を防ぐため、財務省が5年間で毎年最大20万BTCを購入し、最低20年間保有する「米国準備金近代化法(ARMA)」の法制化が議会で進められています。
- 法案が可決された場合、早ければ今年10月にも財務省による市場でのビットコイン購入が開始される見通しです。