米証券取引委員会(SEC)は、現実世界のイベント結果に連動する「予測市場ETF(上場投資信託)」などの新規ETFの取り扱い方針を巡り、一般からの意見募集(パブリックコメント)を実施する予定です。この方針決定に伴い、当初5月初旬に予定されていた関連ETFの上場時期が延期されたことが確認されました。この動きは、急速に成長する予測市場を伝統的な金融市場へ統合するプロセスにおいて、規制当局が慎重な姿勢を強めていることを示しています。
SECが予測市場ETFの取り扱いに関する一般意見を募集へ
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は2026年5月20日、新規ETFに関する声明を発表しました。アトキンス氏は声明の中で、「新たな商品は新たな課題を提起する」とし、SECがその影響を検討している間、ファンド運営会社がイベント契約ETFを含む新規ETFの上場延期に同意したことへの謝意を示しました。また、SECが最近の市場変化にどのように対応すべきかについて、スタッフに対して一般からの意見を募るよう指示したことを明らかにしました。
この声明により、ロイターが5月4日に報じていた予測市場ETFの上場延期が正式に確認された形となります。これにより、2028年米大統領選挙の結果や、テクノロジー業界における人員削減といったイベントに連動するETFの上場可否の判断は、先送りされることになりました。
延期の影響を受けたファンドと市場の背景
今回の上場延期により、資産運用会社のビットワイズ(Bitwise)、ラウンドヒル(Roundhill)、グラナイトシェアーズ(GraniteShares)が2026年2月に申請した計24本のETFが影響を受けました。これらの新規ETFは、当初5月初旬に取引が開始される予定でした。
ブルームバーグのETFアナリストであるエリック・バルチュナス氏は、SECが予測市場ETFへの対応に苦慮していることを指摘しています。これらは暗号資産(仮想通貨)ETFなどと同様に、これまでにない全く新しい性質を持つ金融商品であるため、SECは本格的に市場へ投入する前に、安全性を確保するための十分な時間と意見を求めていると見られます。
ポイント
- 米SECは予測市場ETFなどの「新規ETF」をどう扱うかについて、一般からの意見募集(パブリックコメント)を開始する予定です。
- ポール・アトキンスSEC委員長は「新たな商品は新たな課題を提起する」と言及し、慎重に影響を検討する姿勢を示しています。
- ビットワイズ、ラウンドヒル、グラナイトシェアーズが申請した24本の予測市場ETFは、5月初旬の上場予定から延期されました。
- 対象となるETFには、2028年米大統領選挙やテクノロジー業界の人員削減などのイベント結果に連動するものが含まれます。
- 規制当局が新しい資産クラスに対して慎重な姿勢を見せている点で、今後の予測市場と伝統的金融の融合プロセスにおける重要な局面として注目されます。