CFTCとNHLが予測市場の健全性確保に向け覚書を締結、データ共有と不正防止で連携

米国商品先物取引委員会(CFTC)と北米プロアイスホッケーリーグ(NHL)は、プロホッケーに関連する予測市場の健全性と透明性を守るため、覚書(MOU)を締結しました。この合意により、両者はCFTCの規制下にある取引所で提供されるホッケー関連のイベント契約(試合結果などの結果を予測して取引する金融商品)について、情報共有や連携を進めます。予測市場の急速な拡大に伴い、連邦規制当局と主要プロスポーツリーグが協力してインサイダー取引や詐欺などの不正行為を防止する動きが強まっています。

予測市場の健全性維持を目指す連携体制の構築

CFTCとNHLが予測市場の健全性確保に向け覚書を締結、データ共有と不正防止で連携

CFTCとNHLが締結した覚書は、プロホッケーの公正性を守り、透明で公平な予測市場を維持することを目的としています。

具体的には、双方がそれぞれ担当者を指定し、定期的な連絡を通じて市場のインテグリティ(健全性)に関する課題を協議し、機密情報の共有を行います。

NHLはすでに、関連市場を監視するための複層的な保護策を独自に導入していますが、今回の合意によって既存の監視体制をさらに強化し、潜在的なリスクの特定や抑止、対応能力を高めることができるとしています。NHLコミッショナーのゲイリー・ベットマン(Gary Bettman)氏は、インテグリティはファンやパートナーからの信頼の土台であり、リーグにとって最重要事項であると強調しました。

予測市場の急成長と連邦規制の重要性

近年、Kalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)といった予測市場プラットフォームは、2024年の米大統領選以降に急速な注目を集めており、スポーツ関連のイベント契約の分野も拡大しています。

CFTCのマイケル・S・セリグ(Michael S. Selig)委員長は、今回の合意がプロスポーツリーグとCFTCとの間のデータ共有を改善する取り組みの一環であると説明しました。この連携は、予測市場の参加者をインサイダー取引や詐欺、その他の不正行為から保護するための重要な一歩とされています。

なお、CFTCは2026年3月にも、MLB(米大リーグ)と同様の覚書を締結しており、スポーツ予測市場に対する連邦政府の監督体制の構築を段階的に進めています。

州規制当局との管轄権をめぐる対立

予測市場の監督をめぐっては、連邦機関であるCFTCと各州の賭博・ゲーミング規制当局との間で管轄権争いも発生しています。

一部の州はスポーツ関連の予測契約を賭博とみなして規制や禁止の動きを見せていますが、CFTCは自らが排他的な管轄権を持つと主張しています。

実際にCFTCは、予測市場の州内禁止の差し止めや監督権を求め、2026年4月にウィスコンシン州、5月にミネソタ州を提訴するなど、法的な対立も表面化しています。今回のNHLとの提携は、CFTCが連邦規制の正当性と実効性を補強する狙いもあると見られます。

ポイント

  • CFTCとNHLがプロホッケー関連の予測市場の健全性を守るための覚書を締結しました。
  • 双方は専任の担当者を指定し、インサイダー取引や詐欺などの不正行為を防止するための定期的な協議や機密情報の共有を行います。
  • 2024年の米大統領選以降、PolymarketやKalshiなどの予測市場が急成長しており、スポーツ関連のイベント契約も取引が拡大しています。
  • CFTCは2026年3月にMLBとも同様の覚書を締結しており、プロスポーツリーグとの連携によるデータ共有と市場保護の取り組みを強化しています。
  • 一方で、予測市場の監督権をめぐり、CFTCと州の賭博規制当局との間で法的な管轄権争いも続いています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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