韓国で2027年導入予定の暗号資産課税に強い反発、廃止を求める請願に5万人以上が署名

韓国で2027年1月に導入が予定されている暗号資産への課税制度を巡り、その廃止を求める国民請願の署名数が5万人を突破しました。この請願は正式な基準を満たしたため、国会の財政経済企画委員会に送付され、今後の審査対象となります。株式市場との課税の公平性や、若年層の資産形成への影響を懸念する声が高まっており、今後の税制の行方に注目が集まっています。

5万人以上の署名により国会の委員会審査へ移行

韓国で2027年導入予定の暗号資産課税に強い反発、廃止を求める請願に5万人以上が署名

韓国で2027年に導入が計画されている22%の暗号資産課税制度について、その廃止を求める請願書への署名数が5万人を超えました。

この請願は5月13日に提出され、同月21日に国会での審査基準となる5万人を突破しました。現在の署名数は53,359人に達しており、これにより請願は国会の財政経済企画委員会に送られ、正式な審査が行われることになります。

現行の計画では、2027年1月1日から、暗号資産の取引によって得られた年間250万ウォンを超える利益に対して、国税20%と地方税2%を合わせた計22%の税金が課される予定となっています。

株式投資との不公平性と若年層への影響を懸念

請願者が強く訴えているのは、他の金融資産との課税における不公平性です。韓国政府は株式の利益に対する金融投資所得税を廃止したとされていますが、その一方で暗号資産への課税のみを維持して進めている点について、投資家への不平等を生み出していると指摘されています。

また、国内の不動産価格の高騰により、若年層が自力で資産を築くことが極めて困難になっている現状も背景にあります。請願書では、蓄積された資産がない状態では住宅購入が不可能な現実において、暗号資産は一部の若者にとって実質的に最後の投資機会として捉えられていると説明されています。このような状況下でさらなる税負担が課されれば、若者の資産形成の機会がさらに損なわれる可能性があると懸念が示されています。

さらに、現在の暗号資産市場の低迷や、投資家を保護するための十分なインフラが整備されていない点も、課税に反対する理由として挙げられています。

過去3回の延期と政府・与党の動向

韓国における暗号資産への課税は、当初予定されていた2022年の開始から、これまでに3回にわたって実施が延期されてきた経緯があります。今回の請願は、単なる再延期ではなく、制度そのものの完全な廃止を求める世論の現れとされています。

政治的な動きとしても、3月に与党である国民の力の宋言錫議員が、現行の所得税法からデジタル資産課税に関するすべての規定を削除する法案を提出しています。

しかし一方で、韓国の企画財政部は今月、2027年1月からの課税実施を予定通り進める方針を公に再確認しており、政府の方針と世論および一部の立法動きとの間で議論が続くと見られます。

ポイント

  • 2027年1月に開始が予定されている22%の暗号資産課税制度に対し、廃止を求める請願の署名が5万人を超え、国会委員会での審査が決定しました。
  • 株式投資向けの課税が廃止される一方で、暗号資産への課税が進められることに対する強い不公平感が、投資家の間で不満の要因となっています。
  • 不動産高騰に直面する若年層にとって、暗号資産が重要な資産形成の手段となっており、課税がその機会を奪うとの懸念が指摘されています。
  • 課税開始は過去に3回延期されており、与党議員による廃止法案の提出もある中、政府は予定通りの実施方針を維持しており、今後の調整が注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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