米CLARITY法案の進展で恩恵を受ける4つのアルトコイン、Grayscaleが指摘

暗号資産運用大手のGrayscale(グレースケール)は、米国で審議されている暗号資産規制法案であるCLARITY Act(デジタル資産市場明確化法)が可決された場合、機関投資家からの資金流入によって最も恩恵を受ける4つのブロックチェーンネットワークを特定しました。選ばれたのは、Ethereum、Solana、BNB Chain、およびCanton Networkです。この法案は、米国内における暗号資産の規制権限を整理し、法的な不確実性を解消することで、機関投資家による本格的な市場参入を促すと期待されています。Grayscaleは、すでにオンチェーン金融やトークン化資産の分野で強固な基盤を持つ主要なネットワークに、規制された資本が集中して流れる可能性が高いと分析しています。

機関投資家の資金流入を吸収する4つの主要ブロックチェーン

米CLARITY法案の進展で恩恵を受ける4つのアルトコイン、Grayscaleが指摘

Grayscaleのリサーチ部門は、CLARITY Actが可決されて規制環境が明確になった際、すでにオンチェーン金融のフットプリント(活動実績)が最も深いネットワークが有利になると指摘しています。具体的に挙げられた4つのネットワークの特徴は以下の通りです。

  • Ethereum(イーサリアム)

オンチェーン機能を持つトークン化資産やDeFi(分散型金融)の分野で市場をリードしています。スマートコントラクトの利用やDeFiのTVL(総ロック価値)において圧倒的なシェアを維持しており、最も強力な機関投資家向けブロックチェーンと位置づけられています。

  • BNB Chain(BNBチェーン)およびSolana(ソラナ)

DeFiのTVLやステーブルコインの供給量、アプリケーション活動において、Ethereumに次ぐ2位と3位のポジションを占めています。高い取引処理能力や低コストな手数料などを背景に支持を集めており、資金流入の主要な受け皿になるとされています。

  • Canton Network(キャントン・ネットワーク)

他の3つのパブリックチェーンとは異なり、規制対象の金融機関向けに特化して構築されたプライバシー重視のレイヤー1ブロックチェーンです。すでにDTCC(米証券保管振替機関)のトークン化米国債パイロットプログラムをホストしており、J.P. MorganやHSBC、Visaなどがバリデーターとして参加しています。オンチェーンでの毎日約3500億ドルの決済実績や、6兆ドルを超えるトークン化された現実世界資産(RWA)の規模において、独自の支配的な地位を築いているとされています。

また、Grayscaleはこれらに次ぐ候補(セカンダリ層)として、Avalanche(アバランチ)、Ethereumのレイヤー2ソリューションであるBase(ベース)やArbitrum(アービトラム)、パーペチュアル(無期限先物)取引に特化したHyperliquid(ハイパーリキッド)、ステーブルコインの取引量が多いTron(トロン)なども恩恵を受ける可能性があると言及しています。

CLARITY Actの概要とブロックチェーン業界への影響

CLARITY Act(デジタル資産市場明確化法)は、米国の暗号資産市場における包括的なルールブックとなることを目指した法案です。

この法案の主な目的は、暗号資産の規制権限を証券取引委員会(SEC)と商品先物取引委員会(CFTC)の間で明確に分割することにあります。具体的には、投資契約とデジタルコモディティ(商品)を区別するフレームワークを確立し、これまで法執行を中心に行われてきた曖昧な規制環境から、明確な法的構造への移行を目指しています。

暗号資産業界にとってこの法案が重要な理由は、規制の明確化によって法的なリスクが低減され、これまで参入を躊躇していたウォール街などの大規模な伝統的金融機関が、トークン化資産やオンチェーン金融へ本格的に投資できるようになるためです。

法案成立に向けた今後のプロセスと課題

CLARITY Actは、2026年5月14日に米上院銀行委員会において15対9の賛成多数で可決され、上院本会議での採決に向けて前進しました。

しかし、法案が最終的に成立して法律となるまでには、まだ複数のプロセスが残されています。今後は上院本会議での投票に加え、上院農業委員会が主導する関連法案(デジタルコモディティ仲介業者法:DCIA)との統合や、下院を通過した下院版CLARITY Actとの両院間での調整(一本化)、そして最終的な大統領の署名が必要となります。

また、上院での本会議投票に向けては、2026年6月に他の重要法案(歳入調整法案や住宅法案など)との審議時間の競合が予想されており、可決に向けた議会スケジュールがタイトである点も指摘されています。

ポイント

  • 米国で審議中の暗号資産市場規制法案であるCLARITY Actの可決により、規制の明確化と機関投資家マネーの流入が期待されています。
  • 暗号資産運用大手のGrayscaleは、この法案の可決から最も恩恵を受けるネットワークとして、Ethereum、Solana、BNB Chain、Canton Networkの4つを挙げました。
  • Ethereum、Solana、BNB Chainは、既存のDeFi、ステーブルコイン、トークン化資産の市場において圧倒的なシェアを持つことから、資金流入の主要な受け皿として注目されます。
  • 金融機関向けに特化したCanton Networkは、すでに大手金融機関が本番環境で構築を進めており、RWA(現実世界資産)やトークン化資産の分野で独自の強みを発揮しています。
  • CLARITY Actは上院銀行委員会を通過したものの、法案成立までには上院本会議での採決や下院との調整など、複数の段階とスケジュールの課題が残されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

ビジネスでの活用から個人の学びまで、ブロックチェーンやトークンに関する情報を、最新動向と実務でのナレッジを踏まえてわかりやすくお届けします。編集部や事業内容の詳細は、公式サイトをご覧ください。

ニュース
ブロックチェーンマガジン by Pacific Meta