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ビットコイン下落でMicroStrategyが保有資産の含み損拡大と評価額のディスカウントに直面

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ビットコイン価格が60,000ドル水準まで下落したことにより、MicroStrategy(MSTR)が市場からの新たな圧力に直面している。同社の保有するビットコインの平均取得原価を大きく下回る水準となり、バランスシート上の懸念が再燃している。

この価格下落に伴い、MicroStrategyの株価は急落し、市場評価額がバランスシート上のビットコインの価値を下回る状況となった。これは同社の資金調達モデルにとって重要なストレスシグナルと見られている。短期的には即座の債務超過リスクはないが、ビットコイン価格が長期的に低迷した場合、同社は拡大フェーズから守備的なモードへの移行を余儀なくされる可能性がある。

発表内容の詳細

巨額の含み損とバランスシートへの圧力

MicroStrategyは現在、約713,500 BTCを保有しています。平均取得原価は1コインあたり約76,000ドルとなっており、ビットコイン価格が約60,000ドルで取引されているため、同社の保有資産は数十億ドル規模の未実現損失が発生しています。

これまで投資家の関心は「長期的にビットコインを買い増していく成長戦略」に向いていましたが、現在は短期的にこの財務状態をどこまで耐えられるのかという点に移りつつあります。

市場評価額が保有資産価値を下回る

さらに懸念されているのが、MicroStrategyのmNAV(市場純資産価値倍率)です。この数値は約0.87倍まで低下しており、これは株価が同社が保有するビットコインの価値を下回って評価されていること(ディスカウント)を意味します。

MicroStrategyはこれまで、「株価がビットコイン保有価値より高く評価されている状態」を利用して増資を行い、その資金でさらにビットコインを購入する、という戦略を取ってきました。

しかし、現在のように市場プレミアムが失われた状況では新たに株式を発行すると企業価値を高めるどころか、既存株主の持ち分を薄めてしまう結果になりかねません。このため、同社の成長モデルは事実上の足踏み状態に入ったと見られています。実際、同社株は今週だけで約23%下落しました。

短期的な財務上の耐性

このような市場圧力にもかかわらず、現時点で支払い不能に陥るような危機的状況ではありません。MicroStrategyは過去2年間にわたり、株価が資産価値を上回っている局面を活用し、株式発行によって約186億ドルを調達してきました。

また、同社が抱える負債の多くは返済期限が先に設定されており、ビットコイン価格の下落によって即座に追証(マージンコール)が発生するような仕組みも含まれていません。

今後の展開

MicroStrategyは現在、積極的に拡大を狙うフェーズから、守りを重視する局面へと移行しています。

本格的なリスクが高まるのは、以下の条件が重なった場合です。

  • ビットコイン価格が長期間にわたって取得原価を大きく下回る
  • mNAVの低下が続き、株価回復の余地がなくなる
  • 資本市場での資金調達が難しくなる

このような状況では、借り換えのハードルが上がり、さらなる株式の希薄化や投資家心理の悪化につながる可能性があります。

現時点では債務超過ではありませんが、同社の安全余地は確実に縮小しており、今後のビットコイン相場の動向に対して以前よりも脆弱な立場に置かれていると言えるでしょう。

編集部コメント

ビットコイン価格が一時60,000ドル水準に近づくなか、トレジャリー企業の経営にも厳しい目が向けられています。とりわけMicroStrategyのようにビットコインを中核的な財務戦略として位置づけてきた企業にとっては価格下落そのもの以上に「市場からどう評価されるか」が重荷となりつつあります。今回の下落でビットコインの長期的な価値観が否定されたわけではないものの、企業がそれをバランスシートに組み込むモデルは価格変動だけでなく株価評価に強く左右される構造であることが、改めて浮き彫りになりました。今後は価格動向だけでなくトレジャリー企業がどのように財務耐性を維持していくのかも、重要な注目点となりそうです。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用を専門とする編集チームです。Web3・ブロックチェーン領域に特化したコンサルティングファームである株式会社Pacific Metaが、国内外41カ国・150社以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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