住友商事グループのSCSKは、NFTを活用した観光DXサービス「Connexia(コネクシア)」を沖縄県の首里城公園へ提供開始しました。このサービスは、来園者の行動に応じてデジタルメダル型のNFTを配布することで、観光体験の向上や周辺地域への送客を目的としています。2026年秋の首里城正殿完成を見据え、特定のエリアへの過度な集中を避けるための周遊促進策として注目されます。
NFTを活用した行動の可視化と周遊の促進
首里城公園で提供が開始された「首里城アプリ」には、SCSKの新サービスであるConnexiaが搭載されています。来園者は、園内での周遊やイベント参加といった行動に応じて、デジタルメダル型のNFTを取得できます。このNFTは来園の証として半永久的に保有・コレクションできるほか、周辺施設での優待や限定イベントへの参加権といった特典の付与にも活用されます。
2026年秋に予定されている正殿の完成に伴い、国内外からの観光客増加が予想されています。一方で、特定エリアへの混雑(オーバーツーリズム)が懸念されており、NFTを活用したミッションや特典の提供によって、来園者の分散や地域全体の周遊を促す狙いがあります。これにより、観光客が特定の場所に留まらず周辺地域へ足を運ぶ「直行直帰型」観光の解消を目指しています。
個人情報を取得しないOne to Oneマーケティングの実現
Connexiaの大きな特徴は、氏名や連絡先といった個人情報の登録を必要とせずに、個々のユーザーに最適化された施策(One to Oneマーケティング)を実施できる点にあります。NFTの保有・取得履歴を通じて、来園頻度や周遊エリア、関心のあるイベントなどの行動パターンを可視化し、ユーザーの嗜好に応じたお知らせの表示などが可能となります。
これにより、プライバシーに配慮しながら、来園者の関心度を高めるエンゲージメント向上施策を展開できるとしています。アプリ内では多言語対応やマップ表示、二次元コードによるNFT取得機能などが備えられており、国内外の観光客が利用しやすい環境が整えられています。
地域課題の解決に向けた今後の展開
SCSKは2021年6月に沖縄県と「首里城復興におけるDX推進に関する連携協定」を締結しており、これまでもデジタル技術を用いた課題解決に取り組んできました。今回のConnexiaの提供はその一環であり、一般財団法人沖縄美ら島財団が管理する首里城公園において4月20日からアプリの提供が開始されています。
今後は沖縄県内の他の観光施設や自治体、観光協会などへの展開も計画されています。また、将来的には沖縄県外の観光拠点との連携拡大も視野に入れているとされており、NFTを活用した観光DXのモデルケースとしての広がりが期待されます。
ポイント
- SCSKがNFTを活用した観光DXサービス「Connexia」を開発し、首里城公園に導入しました。
- デジタルメダル型NFTを配布することで、来園者の周遊を促し、特定エリアの混雑緩和(オーバーツーリズム対策)を目指す点で注目されます。
- 氏名や連絡先を取得せず、NFTの履歴に基づいたパーソナライズされたマーケティングが可能です。
- 2026年秋の首里城正殿完成に向けた観光客の増加に対応し、周辺地域への送客による経済効果の向上を図ります。
- 沖縄県内での横展開に加え、将来的には他地域の観光拠点との連携も視野に入れています。