米ウィスコンシン州司法省は、スポーツ関連のイベント契約を提供しているとして、Kalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)を含む5社および関連会社を相手取り、デーン郡で3件の訴訟を起こしました。州側はこれらのサービスが「公共の迷惑」にあたる違法賭博であると主張し、同州の顧客に対するサービス提供の差し止めを求めています。予測市場を巡っては、州レベルでの規制強化と連邦政府による反発が続いており、業界の法的地位を左右する重要な局面を迎えています。
提訴の背景と司法省の主張
ウィスコンシン州のJosh Kaul(ジョシュ・カウル)司法長官は、今回提訴した5社(Kalshi、Robinhood、Coinbase、Polymarket、Crypto.com)が提供するサービスについて、実質的に従来のスポーツ賭博と同じ機能を持つと指摘しています。州司法省は、これらを「予測市場」ではなく、利益を目的とした賭博の仲介行為であると位置づけています。
訴状によれば、各社が利益を得る目的で賭けを受け取り、資金の管理者となっていることや、通信手段を用いて賭博を促進していることが、同州の商業賭博法に違反しているとされています。
求められる救済措置と既存契約への影響
州側は、各社のスポーツ関連イベント契約が州法に違反しているとの宣言的判断に加え、州内の顧客に対して同種の契約を提供することを禁じる仮差し止め命令と恒久的差し止め命令を求めています。
一方で、今回の訴訟は将来に向けた規制を目的としており、すでに成立している既存の契約を無効にすることまでは求めていません。州司法省は、あくまで将来の違法行為を防止することに焦点を当てています。
州レベルの規制強化と連邦政府との対立
予測市場に対する州レベルの規制は、ウィスコンシン州以外でも進んでいます。2026年4月22日には、ニューヨーク州の司法長官がCoinbase(コインベース)とGemini(ジェミナイ)を同様の理由で提訴しました。
これに対し、連邦政府側は州の規制に異議を唱えています。米商品先物取引委員会(CFTC:米国のデリバティブ市場を監督する連邦機関)は、2026年4月3日にコネチカット州、アリゾナ州、イリノイ州を相手取り、予測市場運営者への州規制を不服とする訴訟を起こしました。州による独自の規制強化と、連邦機関による管轄権の主張が対立しており、今後の司法判断が注目されます。
ポイント
- ウィスコンシン州がKalshiやPolymarketなど5社を、スポーツ関連イベント契約の提供を理由に提訴しました。
- 州側はこれらのサービスを「予測市場」ではなく、利益目的の「違法賭博」とみなしています。
- 提訴は将来的なサービス提供の差し止めを目的としており、既存の契約の無効化は求めていません。
- ニューヨーク州でも同様の提訴が行われており、米国各州で予測市場への規制圧力が高まっています。
- 連邦機関であるCFTCが州の規制に異議を唱える訴訟を起こしており、州法と連邦法の整合性が争点となっています。