ゲームアプリの企画・開発・運営を手がける株式会社enishは、2026年6月3日、暗号資産ソラナ(SOL)を中核とするアクティブ・トレジャリー事業を開始する方針を決定したと発表しました。当初の想定運用規模は約7億2,000万円で、暗号資産の保有だけでなくステーキングなどを通じた能動的な収益創出を目指します。この決定は、国内上場企業においてソラナを活用した財務戦略が広がりを見せるなか、Web3技術を既存事業の成長に統合する新たな試みとして注目されます。
デジタル資産トレジャリーの新モデル「DAT 2.0」の構築
enishは、暗号資産の保有を中心とする従来型のDAT(デジタル資産トレジャリー:デジタルアセットを財務資産として保有・運用する戦略)を「DAT 1.0」と位置付ける一方、デジタルアセットによる収益創出と既存事業の成長を循環させるモデルを「DAT 2.0」と定義しています。
今回の事業は「ゲームとSolanaをつなぐフライホイール(相乗効果を生む仕組み)」と位置付けられており、保有するSOLのステーキング(ネットワークに暗号資産を預け入れて報酬を得る仕組み)などを通じて継続的な収益機会を創出することを目指します。
SOLを採用した理由として、同社はゲームやエンターテインメント領域との親和性を重視したと説明しています。Solanaは高速かつ低コストなトランザクション(取引)処理性能を備えており、ステーキングによる利回り機会も提供できる点が評価されました。
資金調達と今後のスケジュール
今回の事業開始にあたり、enishは2026年4月にEVO FUNDを割当先とする第22回新株予約権の発行を決議しており、調達予定資金のうち6億4,000万円をSOLの購入費用に充てる計画を公表していました。
なお、本事業の正式な開始は、2026年6月9日に開催予定の臨時株主総会において、定款変更議案などが承認されることが前提条件とされています。
国内上場企業におけるソラナ(SOL)採用の潮流
日本国内では、上場企業が財務戦略(トレジャリー戦略)にソラナ(SOL)を取り入れる動きが近年相次いでいます。
2025年10月にはモブキャストHDがソラナトレジャリー戦略を掲げて14億円の資金調達を発表したほか、2026年4月には老舗印刷会社のマツモトが国内初とされるSOLを用いた株主優待の実施を発表しました。また、WIZEによるSOLの追加取得や、保有するSOLを担保にした再投資戦略などの動きも見られます。
enishによる今回のアクティブ・トレジャリー事業の開始決定は、国内ビジネスにおけるソラナ経済圏の浸透と、Web3技術を財務および既存事業の成長へと統合する具体例として、業界における重要なマイルストーンとなる可能性があります。
ポイント
- 株式会社enishが、ソラナ(SOL)を中核とするアクティブ・トレジャリー事業の開始方針を決定し、当初運用規模は約7億2,000万円を想定しています。
- 従来の暗号資産保有(DAT 1.0)から、収益創出と既存事業の成長を循環させる新モデル「DAT 2.0」への移行を掲げ、ゲームとSolanaをつなぐフライホイールを目指しています。
- 2026年4月に決議した新株予約権による調達予定資金のうち、6億4,000万円をSOLの購入に充てる計画です。
- 正式な事業開始は、2026年6月9日開催予定の臨時株主総会における定款変更等の承認を条件とすることが発表されています。
- 国内の上場企業(モブキャストHDやマツモトなど)でソラナ(SOL)を活用した財務戦略や株主優待の導入が相次いでおり、Web3をビジネスに統合する動きが活発化している点で注目されます。