暗号資産取引所のBackpackは、伝統的な株式取引とトークン化株式を組み合わせた新プラットフォームであるBackpack Securitiesの開始を発表しました。このサービスは、規制下の証券仲介基盤を通じた実際の米国株式の取引機能と、Solanaブロックチェーン上でのトークン化機能を統合したものです。2026年6月から段階的に展開される予定で、伝統的金融と暗号資産を一つのシステムに融合させる試みとして注目されています。
米国株式の直接保有とオンチェーンでのトークン化を両立
Backpack Securitiesは、ユーザーが規制下の証券仲介基盤を通じて実際の米国株式を購入、保有、売却できる仕組みを提供します。これにより、投資家は従来の証券口座と同様に、現金配当やコーポレートアクション、ACATSやDTCC(米国証券保管振替機構)を通じた株式ポートフォリオの移管といった権利を保持することができます。
さらに、同プラットフォームはSolana基盤のトークン化プロトコルであるSunriseと提携しています。これにより、ユーザーは自身が保有する株式をトークン化証券へと変換することが可能になります。トークン化された証券は、当初はSolana上で展開され、既存のデジタルウォレットやDeFi(分散型金融)プロトコルとの互換性を備え、24時間365日オンチェーンで移転できるようになる見込みです。今後は他のブロックチェーンへの対応も視野に入れているとされています。
分断された金融資産を一つのポートフォリオに統合する狙い
BackpackのCEOであるアルマーニ・フェランテ氏は、実際の株式所有とブロックチェーンを通じたネイティブなアクセスは競合するものではなく、同一の金融システムを構成する二つの要素であると説明しています。
同社は、Backpack Securitiesを「実際の所有」「ブロックチェーンネイティブな流通」「資本の統合」という三つの層で構築された金融基盤と位置づけています。これまで株式、暗号資産、ステーブルコイン、デリバティブなどは、それぞれ異なる口座や担保システムに分断されて管理される傾向にありました。新プラットフォームではこれらを統合し、一つのポートフォリオ体験としてシームレスに扱えるようにすることを目指しています。
業界への影響と今後の展開
元FTX関係者らによって2023年後半に設立されたBackpackは、今回の新サービス導入により、単なる暗号資産取引所から、株式とオンチェーン金融を接続する総合的な金融プラットフォームへの進化を図っています。
伝統的金融と暗号資産の境界線をなくし、同じシステムの一部として統合していくこの取り組みは、暗号資産を保有する投資家に対して規制に準拠した形で伝統的な株式へのアクセスを提供する点で、新たな資産運用の選択肢となる可能性があります。本サービスは2026年6月から段階的に展開される予定です。
ポイント
- 暗号資産取引所Backpackが、伝統的な株式取引とトークン化株式を融合した新プラットフォーム「Backpack Securities」を発表しました。
- ユーザーは規制された環境で実際の米国株式を保有しながら、その株式をSolana基盤のプロトコル「Sunrise」を通じてトークン化証券に変換できます。
- 株式、暗号資産、ステーブルコインなどを別々の口座に分断せず、一つのポートフォリオとして統合管理できる環境を目指しています。
- 伝統的金融とオンチェーン金融を同じ金融システムの一部として統合する試みであり、今後の資産運用のあり方に変化をもたらす可能性があります。
- 2026年6月から段階的にサービスが展開される予定です。