ステーブルコイン「USDコイン(USDC)」の発行元として知られるCircle(サークル)は、2026年6月8日、ビットコインに1対1で裏付けられた新たなラップドビットコイン「cirBTC」をイーサリアム(Ethereum)上で提供開始したと発表しました [1]。cirBTCは、トレーダーが保有するビットコイン資産を分散型金融(DeFi)プロトコルで有効に活用できるようにするために開発されたトークンです [1]。これにより、先行する競合が存在するラップドビットコイン市場にCircleが本格参入することになります [1]。
ビットコイン資産をDeFiで活用する「cirBTC」の狙い
cirBTCは、ビットコインの価値をイーサリアムなどのブロックチェーン上で利用可能にすることで、さまざまなDeFiプロトコルでの運用を可能にします [1]。具体的には、レンディング(暗号資産の貸借サービス)、分散型取引所(DEX)、トークン化資産、ステーブルコインなどの分野での活用が想定されています [1]。
裏付けとなるビットコインは、規制下にあるサークルグループの事業体によって安全に保管され、Circleの企業資産とは分別して管理されます [1]。
Chainlinkの技術による透明性の確保と今後の展開
cirBTCでは、資産の透明性を高めるため、チェーンリンク(Chainlink)の「プルーフ・オブ・リザーブ(Proof of Reserve)」が導入されています [1]。これにより、ビットコイン準備金の状況をオンチェーン上で継続的に確認できる設計となっています [1]。
(※プルーフ・オブ・リザーブは、オンチェーンの資産がオフチェーンの準備金や担保によって実際に裏付けられているかどうかを、リアルタイムで検証して開示する技術とされています)
Circleは今後、cirBTCを同社が開発を進めるレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」に展開するほか、複数のブロックチェーンに対応するマルチチェーン展開も計画しています [1]。
(※アーク(Arc)は、Circleが開発する、ステーブルコインを用いた金融・決済活動に特化したオープンなレイヤー1ブロックチェーンとされています)
先行する「WBTC」「cbBTC」との競争
現在のラップドビットコイン市場では、BitGo(ビットゴー)が提供する「WBTC」と、Coinbase(コインベース)が提供する「cbBTC」の2つのトークンが市場をリードしています [1]。
(※WBTCはBitGoなどが提供する代表的なラップドビットコインであり、cbBTCはCoinbaseが提供するビットコインに1対1で裏付けられたラップドビットコインとされています)
cirBTCは、これらの先行する強力な競合に挑む形となります [1]。Circleが持つステーブルコイン発行のノウハウや信頼性を背景に、どのようにシェアを拡大していくかが注目されます。
ポイント
- Circleが、ビットコインに1対1で裏付けられた「cirBTC」をイーサリアム上で提供開始しました [1]。
- cirBTCは、レンディングやDEXなどのDeFiプロトコルでビットコイン資産を運用可能にすることを目的に開発されました [1]。
- 裏付けとなるビットコインは規制下の事業体で分別保管され、Chainlinkの「プルーフ・オブ・リザーブ」によって透明性が確保されています [1]。
- 今後はCircle独自のレイヤー1ブロックチェーン「アーク(Arc)」への展開や、マルチチェーン展開が計画されています [1]。
- BitGoの「WBTC」やCoinbaseの「cbBTC」が先行するラップドビットコイン市場において、新たな選択肢としての普及が期待されます [1]。