バイナンス創業者CZ氏が政府へ暗号資産戦略を提唱 株式のトークン化と国家ステーブルコインの導入を促す

大手暗号資産取引所バイナンスの創業者であるチャンポン・ジャオ氏(CZ氏)が、アジア諸国の指導者や金融規制当局との会談を経て、政府向けの暗号資産導入戦略を提唱していることが明らかになりました。CZ氏は各国政府に対し、株式市場のトークン化と、法定通貨に裏付けられた国家的なステーブルコインの立ち上げを促しています。この提案は、ブロックチェーン技術を伝統的な金融システムへ統合し、グローバルな投資誘致や自国通貨の利用拡大を目指すものとして注目されています。

株式市場のトークン化と国家ステーブルコインの導入

バイナンス創業者CZ氏が政府へ暗号資産戦略を提唱 株式のトークン化と国家ステーブルコインの導入を促す

CZ氏が提示する戦略の柱は、国内の株式市場をトークン化することと、国家的なステーブルコインを発行することの2点です。

株式のトークン化、すなわち実世界資産(RWA)のブロックチェーン移行により、企業の株式は24時間365日取引可能なデジタル資産へと変換されます。この手法により、資産の小口化や決済の迅速化が実現し、従来の証券会社を経由せずに世界中の投資家層から資金を呼び込むことが可能になると主張されています。現時点で株式市場全体を完全にトークン化した国はまだ存在しないものの、ブロックチェーンの次なる成長段階として期待されています。

また、自国の法定通貨に連動するステーブルコインを発行することで、ブロックチェーンインフラを通じて自国通貨の普及範囲を広げ、デジタル経済における存在感を高めることができるとされています。

ステーブルコインの需要とRWA市場の成長背景

現在、ステーブルコイン市場全体の約99%は米ドルに連動するステーブルコイン(USDTやUSDCなど)が占めており、市場全体の規模は約3150億ドルに達しているとされています。しかし、バイナンスのCEOであるリチャード・テン氏の指摘によると、新興国市場におけるバイナンスユーザーの36%が資産の少なくとも半分をステーブルコインで保有しており、日常的な決済や利便性の向上に寄与している実態があります。

さらに、パブリックブロックチェーン上におけるトークン化された実世界資産(RWA)の市場規模は、2026年中旬時点で320億ドル以上に急成長しており、前年の約60億ドルから大幅な増加を記録しています。このような実世界資産のオンチェーン化のトレンドが、CZ氏の提言の背景にあると見られます。

なお、CZ氏によるこれらの提案は、アジア諸国の複数の指導者や規制当局者との進展中の対話に基づいているとされていますが、具体的な国名は現時点で明かされていません。

ポイント

  • バイナンス創業者のCZ氏が、アジアの指導者や規制当局者との会談を経て、政府向けの暗号資産導入戦略を提唱しました。
  • 株式市場のトークン化により、24時間取引や小口投資が可能になり、グローバルな投資家を惹きつける効果が期待されます。
  • 法定通貨連動型の国家ステーブルコインの立ち上げを促すことで、米ドル一強のステーブルコイン市場において、自国通貨のブロックチェーン上での利用拡大を図る狙いがあると見られます。
  • 新興国市場ではユーザーの36%が資産の半分以上をステーブルコインで保有しており、日常的な決済手段としての需要がすでに高まっている点が注目されます。
  • パブリックブロックチェーン上のRWA市場は、2026年中旬時点で320億ドル以上に拡大しており、伝統金融とブロックチェーンの融合が加速していることを示しています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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