オンチェーン分析プラットフォームであるArkham(アーカム)のデータから、ブータン王国政府が3450万ドル(約53億4800万円、1ドル144円換算)相当の533 BTCを暗号資産取引所Binance(バイナンス)へ送金したことが明らかになりました。この送金は、政府系投資機関であるDruk Holding and Investmentsのウォレットから複数回に分けて実行されています。今回の送金により同政府のビットコイン保有量は2024年10月のピーク時から約87%減少しており、国家による保有資産の売却が進んでいる可能性が指摘されています。
送金の詳細と保有量の推移
オンチェーンデータによると、今回の送金は一度ではなく、複数回に分割して行われました。最大の単一送金は約1470万ドル(約22億7900万円)相当の227.194 BTCでした。このほかに、約310万ドル(約4億8100万円)相当の48.228 BTCの送金や、2 BTCを超える複数の小口送金も確認されています。
今回の一連の送金の結果、ブータン政府関連ウォレットの残存保有量は1749.96 BTCとなりました。これは、2024年10月のピーク時に記録した1万3000 BTCから約1万1250 BTC(約87%)減少したことになります。
2026年における資金移動の活発化と背景
ブータン政府は2026年に入り、ビットコインの移動を活発化させています。アーカムのデータによると、2026年年初来の送金総額はすでに2億3000万ドル(約356億5000万円)を超えています。直近では2026年5月12日にも、820万ドル(約12億7100万円)相当の100.44 BTCをラベルのないアドレスへ移動したことが報告されていました。
ブータン政府のビットコインは、他国のように犯罪捜査における没収によって得られたものではなく、政府系投資機関であるDruk Holding and Investmentsが主導する、国内の豊富な水力発電(再生可能エネルギー)を利用した自国でのマイニング(採掘)事業を通じて獲得されたものとされています。そのため、定期的な取引所への送金は、マイニング運営費の回収や国家財政の資金確保を目的とした売却(清算)プロセスの一環である可能性が高いと見られています。
ポイント
- ブータン政府が3450万ドル(約53億4800万円)相当の533 BTCを暗号資産取引所Binanceに送金しました。
- 今回の送金により、同政府のビットコイン保有量は1749.96 BTCとなり、2024年10月のピーク時(1万3000 BTC)から約87%減少しています。
- 2026年年初からの送金総額は2億3000万ドル(約356億5000万円)を超えており、定期的な売却が進められている可能性が指摘されています。
- ブータンのビットコインは、政府系投資機関が国内の水力発電を用いたマイニング事業によって直接獲得したものであるという点で、他国の保有資産と異なり注目されます。