ケンタッキー州司法長官、PolymarketやKalshiなどの予測市場を提訴し無許可のスポーツ賭博運営を主張

ケンタッキー州司法長官、PolymarketやKalshiなどの予測市場を提訴し無許可のスポーツ賭博運営を主張

米ケンタッキー州のラッセル・コールマン司法長官は2026年6月17日、予測市場(未来の出来事の予測を取引する市場)プラットフォームであるPolymarket(ポリマーケット)やKalshi(カルシ)、およびオンラインカジノ運営企業のVGWなどを相手取り、州内での無許可かつ違法なスポーツ賭博やギャンブルを運営しているとして訴訟を提起したと報じられています。司法長官は、これらのプラットフォームが州のライセンスを取得せずに、消費者保護や納税義務を回避していると主張しています。本件は、連邦政府による規制と州法の管轄権を巡る対立としても、Web3業界や予測市場の将来に大きな影響を与える可能性があります。

司法長官による提訴の内容と具体的な主張

ケンタッキー州司法長官、PolymarketやKalshiなどの予測市場を提訴し無許可のスポーツ賭博運営を主張

コールマン司法長官は、PolymarketとKalshiが提供するイベント契約(特定の出来事が起こるかどうかに賭ける取引)の実態が、実質的にはライセンスのないスポーツ賭博にあたると主張しています。

訴状によると、両プラットフォームはユーザーに対して、試合の勝敗やポイントスプレッド(得点差の予想)、選手の統計データなどに賭ける環境を提供しており、これは州のギャンブル法が義務付けている消費者保護措置や税要件を回避しているとされています。

具体的に、Kalshiにおいては2025年の特定のサンプル期間中、取引量の約70%がスポーツ賭博に関連するものであったと指摘されています。また、2025年における同プラットフォームの総取引量約230億ドルのうち、89%がスポーツ賭博によるものでした。

一方、Polymarketについては、ソーシャルメディア等での広告が、同州法の下でスポーツ賭博の提供を認可されているかのような誤解を招く表現を行っていると主張されています。同プラットフォームが提供するマネーライン(勝敗への賭け)やスプレッド、プロップベット(選手個人の成績などへの賭け)などの取引は、認可されたスポーツブック(賭け屋)が提供するものと同様であり、単にスポーツイベント契約と言い換えるだけでは合法化されないとしています。

さらに、暗号資産取引プラットフォームのCoinbase(コインベース)についても、Kalshiと提携して無許可のスポーツギャンブルを運営し、手数料を分配しているとして、Kalshiの提携先として訴訟の対象に含まれています。

予測市場側の反論と連邦規制の枠組み

これに対し、予測市場側は連邦政府による規制の優位性を主張しています。

Kalshiの担当者は、同社がCFTC(米商品先物取引委員会、米国のデリバティブ市場を規制する連邦機関)の管轄下にある連邦規制対象の取引所であることを強調しました。規制権限は州ではなくCFTCにあり、これまでの裁判でもこの点が認められてきたため、今回の訴訟においても同様の判断が下されるとの自信を示しています。

また、今回の提訴に先立ち、両プラットフォームを代表する連合は、ケンタッキー州が導入した新たな税制や契約制限に対して、CFTCの専属管轄権を侵害しているとして、同州を相手取って訴訟を起こしていました。この連合は、ケンタッキー州が州民によるイベント契約の購入に対して14.25%の消費税を課す試みなどが、CFTCの排他的管轄権下にあるデリバティブ取引に干渉していると主張しています。

ビジネスへの影響と今後の焦点

本件は、Web3や暗号資産を活用した予測市場が、州レベルのギャンブル規制とどのように共存、あるいは対立していくかを示す重要な事例となります。

司法長官側は、消費者保護法違反に対して1件あたり最大2,000ドル(60歳以上の高齢者に被害が及ぶ場合は1万ドル)の支払いを求めており、裁判の行方によってはプラットフォームの運営モデルや、Coinbaseをはじめとする提携企業とのビジネス関係にも影響を与える可能性があります。

ポイント

  • ケンタッキー州司法長官が、Polymarket、Kalshi、VGWを無許可のスポーツ賭博運営の疑いで提訴しました。
  • 司法長官は、イベント契約と称される取引の実態が、州法が規制する伝統的なスポーツ賭博と同様であると主張しています。
  • 暗号資産取引所のCoinbaseも、Kalshiと提携して無許可のスポーツギャンブルを運営し手数料を分配しているとして、訴訟の対象に含まれています。
  • Kalshi側は、自社がCFTC(米商品先物取引委員会)の規制下にある連邦取引所であり、州ではなく連邦政府に管轄権があると反論しています。
  • 連邦規制と州のギャンブル法・税制のどちらが優先されるかという法的な争点は、今後の予測市場のビジネス展開に大きな影響を与える点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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