MiCA移行期間終了が迫るEU、ライセンス取得の遅れが深刻化:ドイツBaFinが承認の36%を占める独走状態

EU(欧州連合)の暗号資産市場規制であるMiCA(Markets in Crypto-Assets)の移行期間終了となる7月1日を前に、EU域内におけるライセンス取得の遅れが深刻化しています。現在、正式にライセンスを取得できているEU企業は60社未満にとどまっており、多くの申請企業が不透明な状況に置かれています。その一方で、ドイツの金融規制当局が全体の36%にあたる承認を発行しており、加盟国間での対応の差が浮き彫りとなっています。

迫る7月1日の期限と深刻なライセンス申請の滞り

MiCA移行期間終了が迫るEU、ライセンス取得の遅れが深刻化:ドイツBaFinが承認の36%を占める独走状態

EUの包括的な暗号資産規制であるMiCAは、2024年12月に施行され、これまで移行期間(猶予期間)が設けられていました。しかし、2026年7月1日の移行期間終了を前に、認可手続きの大幅な遅れが問題となっています。

本ソースによると、7月1日の期限を前にライセンスを取得できたEU企業は60社未満にとどまるとされています。なお、一部の外部調査やデータでは、認可された企業数を約194社から210社とする報告もあり、本ソースの記述と数値上の矛盾が見られますが、いずれにしても以前に登録されていた数千社に及ぶ暗号資産企業全体から見れば極めて低い割合であるとされています。この結果、多くの申請企業が認可待ちのまま移行期間の終了を迎えることになり、サービスの一時停止やEU市場からの撤退を余儀なくされる可能性が懸念されています。

ドイツBaFinが承認の36%を占める独走状態

このライセンス取得の遅れが目立つEU域内において、ドイツが際立った動きを見せています。ドイツの金融規制当局であるBaFin(連邦金融監督庁)は、これまでに約18社のCASP(暗号資産サービスプロバイダー)を認可しており、これはEU全体で発行されたライセンスの約36%を占めています。

ドイツは独自の厳格な規制アプローチを維持しつつも、迅速な審査プロセスを進めることで、他国に先駆けてライセンス発行を進めてきました。しかしその一方で、ドイツの規制解釈が他国に比べて厳格すぎるため、一部のスタートアップ企業や暗号資産ネイティブな企業が、より柔軟な規制を掲げるオーストリアやポルトガルなどへ拠点を移す動きも見られるとされています。

業界およびビジネスへの影響

7月1日の期限を過ぎると、MiCAに基づく正規のCASPライセンスを持たない暗号資産交換業者やウォレットプロバイダーなどのサービス提供者は、EUユーザー向けのサービス提供を完全に停止しなければなりません。

この状況は、Web3業界のビジネスパーソンにとって極めて重要な意味を持ちます。まず、無認可のプラットフォームがサービスを停止せざるを得なくなるため、EU内の暗号資産ユーザーの多くが影響を受ける可能性があります。一部の分析では、EUの暗号資産ユーザーの約60%が影響を受けるとも指摘されています。

また、自社でのライセンス取得が間に合わない企業に向けて、すでにドイツのBaFinからライセンスを取得しているBitGoなどの企業が、自社の規制下にあるインフラをレンタルする形でコンプライアンスを代替するサービスを提供するなど、新たなビジネスモデルも現れています。

ポイント

  • 2026年7月1日をもってMiCAの移行期間が終了し、EU域内で暗号資産サービスを提供する企業には統一ライセンスの保持が義務付けられます。
  • 本ソースによると、期限直前でありながらライセンスを取得できたEU企業は60社未満にとどまっており、多くの企業が認可待ちの状況にあります。なお、他のデータでは約194社から210社とする報告もあります。
  • ドイツの規制当局であるBaFinが全体の36%にあたる約18社のライセンスを発行しリードしていますが、その厳格な規制方針からスタートアップが他国へ流出する懸念も指摘されています。
  • 期限までに認可を得られない数千規模の企業がEUユーザーへのサービス停止を迫られるため、業界全体での顧客損失や市場の再編につながるリスクが指摘されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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