ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)と、大手暗号資産取引所であるOKXは、トークン化された金融商品およびデジタルネイティブな金融商品のためのインフラを構築する合弁会社を設立したと発表しました。この合弁会社は、規制に準拠した形でNYSEのトークン化株式やICEの先物へのアクセスを提供することを目指しています。今回の取り組みにより、OKXが抱える1億2000万人以上の登録ユーザーに対して、使い慣れた暗号資産の取引画面から伝統的な金融市場へアクセスする新たな経路が提供されることになります。
合弁会社の設立目的と提供されるサービス
ICEとOKXが50対50の比率で設立するこの合弁会社は、米国の規制当局による承認を前提として、米国の登録ブローカー・ディーラー(有価証券の売買や仲介を行う業者)および先物取引仲介業者(FCM:顧客の代わりに先物取引の注文を引き受ける業者)として運営される予定であるとされています。
この認可が得られれば、OKXのユーザーは暗号資産の取引インターフェースを通じて、トークン化されたNYSE上場株式やICEの先物契約に直接アクセスできるようになります。これにより、24時間365日の取引や、即時決済、小口での所有といったブロックチェーン技術ならではのメリットを、伝統的な金融商品でも享受できるようになると見られています。
また、この提携は一方向のものではなく、ICE側がOKXの現物暗号資産の価格データをライセンス取得し、独自の米国規制に準拠した暗号資産先物商品を立ち上げる計画も含まれているとされています。
戦略的提携の背景とこれまでの歩み
今回の合弁会社の設立は、2026年3月にICEがOKXに対して行った戦略的投資に続く動きです。この投資において、OKXの企業価値は250億ドルと評価され、ICEはOKXの取締役会の議席を1つ獲得したとされています。
さらに両社の協業はすでに始まっており、2026年5月にはOKXがICEの原油指標であるブレント原油およびWTI原油に基づく無期限先物(期限の定めがない先物取引)商品をローンチするなどの実績を上げています。
今回の合弁会社の共同議長には、ICEの代表に加え、2023年からOKXと協働している元ニューヨーク州知事のアンドリュー・M・クオモ氏が就任することが発表されています。クオモ氏は、このパートナーシップが、より現代的で透明性が高く、強靭な金融システムを構築する一助になるとしています。
今後のスケジュール
この合弁会社によるトークン化株式や先物市場へのアクセス提供は、米国規制当局の承認を得ることを条件として、2026年後半にロールアウトされる予定であるとされています。また、合弁会社では規制に準拠したブロックチェーン活用型市場における、さらなる隣接領域での機会についても模索していくとしています。
ポイント
- ニューヨーク証券取引所の親会社であるICEと、暗号資産取引所のOKXが、トークン化金融商品のインフラ構築に向けた50-50の合弁会社を設立しました。
- 合弁会社は米国の登録ブローカー・ディーラーおよび先物取引仲介業者としての登録を目指しており、認可を前提としてOKXの1億2000万人以上のユーザーにトークン化されたNYSE株式やICE先物へのアクセスを提供します。
- ICEはOKXの暗号資産現物価格データをライセンス取得し、米国規制に準拠した独自の暗号資産先物商品を立ち上げる計画を進めています。
- 本提携は2026年3月に発表されたICEによるOKXへの戦略的投資(評価額250億ドル)に基づくもので、規制当局の承認を経て2026年後半のサービス展開を目指しています。