米商品先物取引委員会(CFTC)は2026年6月23日、予測市場をめぐる管轄権争いにおいて、ケンタッキー州を相手取って訴訟を起こしました。CFTCは、同州による規制措置が、連邦法に基づくCFTCの専属的管轄権を侵害していると主張しています。この動向は、急成長する予測市場の法的地位と規制権限をめぐる、連邦政府と州政府の対立を象徴する出来事として注目されます。
ケンタッキー州の規制措置とCFTCの反論
ケンタッキー州は先週、予測市場プラットフォームであるKalshi(カルシ)やPolymarket(ポリマーケット)などを相手取り、州内で無許可かつ違法なスポーツベッティングや賭博プラットフォームを運営したとして提訴しました。
これに対しCFTCは、同州による州裁判所での民事執行手続きが、CFTCの規制下にある指定契約市場(DCM:CFTCに登録された取引市場)を閉鎖に追い込もうとするものであり、連邦法上の専属的管轄権を侵害していると主張しています。CFTCは、こうした州の措置について、議会が設計した全国的なスワップ市場監督の枠組みに介入するものだと批判しました。
また、CFTCはケンタッキー州議会が可決した新たな税制にも異議を唱えています。この税制は、予測市場に対し取引手数料および各イベント契約の想定元本価値の14.25%を課すものであり、CFTCはこれが予測市場の州内運営を事実上不可能にするものだと主張しています。
拡大する管轄権争いと業界への影響
予測市場がCFTCの専属的管轄下にあるのか、それとも州のゲーミング・賭博規制の対象となるのかという点は、米国において大きな争点となっています。
CFTCのマイケル・S・セリグ委員長は声明で、予測市場は将来の出来事が起こる可能性について有用な情報を提供し、ケンタッキー州の企業や個人が利用するリスク管理商品(価格変動などのリスクを抑えるための取引)でもあると説明しました。そのうえで、CFTCは予測市場に対する専属的管轄権を維持する姿勢を強調しています。
今回のケンタッキー州に対する提訴により、同州はCFTCに提訴された9番目の州となりました。過去1年において、CFTCはウィスコンシン州、イリノイ州、アリゾナ州、コネチカット州、ニューヨーク州、ニューメキシコ州、ミネソタ州、ロードアイランド州に対しても同様の訴訟を起こしており、連邦政府と州政府の間の管轄権争いは全米規模で拡大しています。
ポイント
- 米商品先物取引委員会(CFTC)が、予測市場の管轄権をめぐりケンタッキー州を提訴しました。
- ケンタッキー州はKalshiやPolymarketを違法なスポーツベッティングや賭博プラットフォームとして提訴していましたが、CFTCはこれらが連邦規制下の指定契約市場(DCM)であると主張しています。
- 主な争点は、予測市場が連邦法に基づくCFTCの専属的管轄下にあるのか、それとも州のゲーミング・賭博規制の対象となるのかという点にあります。
- CFTCはケンタッキー州が導入した14.25%の課税制度に対しても、運営を事実上不可能にするものとして異議を唱えています。
- 過去1年で9つの州が同様の訴訟の対象となっており、全米で広がる連邦と州の規制権限の対立は、今後の予測市場のビジネス展開に大きな影響を与える可能性があるとして注目されます。