米SEC、暗号資産や予測市場などの新種ETF規制見直しに向け意見募集を開始

米証券取引委員会(SEC)は2026年6月30日、暗号資産や予測市場など、革新的な資産クラスへの投資や新しい投資戦略を採用する新種ETF(novel ETFs)の規制のあり方について、意見募集を開始しました。この意見募集は、ETF分野におけるイノベーションを促進しつつ、投資家保護や公正で秩序ある市場の維持、資本形成の促進を両立させることを目的としています。近年、暗号資産ETFの多様化や、政治・経済イベントの結果に連動する予測市場ETFの提案が相次ぐ中、既存の規制枠組みの適合性が議論されています。本見直しの結果は、今後のWeb3関連金融商品の市場参入プロセスに大きな影響を与える可能性があります。

急成長するETF市場と新種ETFの台頭

米SEC、暗号資産や予測市場などの新種ETF規制見直しに向け意見募集を開始

米国のETF市場は、2019年の4兆ドル(約640兆円、1ドル=160円換算)規模から、2025年末には12兆ドル超へと急拡大を遂げています。SEC投資管理部門のブライアン・デイリー氏は、この成長を大きな成功例と評価する一方で、新しい投資戦略が登場する中での今後の健全な発展には、公開の議論が不可欠であると指摘しています。

特に暗号資産分野では、ポール・S・アトキンス氏が2025年4月にSEC委員長に就任して以降、ビットコインやイーサリアムだけでなく、ソラナやドージコインなどに連動する多様な暗号資産ETFが市場に登場しています。さらに、政治や経済イベントの結果に投資する予測市場(イベント契約)ETFへの関心も高まっており、これら非伝統的な資産をパッケージ化した新種ETFへの対応が急務となっています。

規制見直しにおける主な論点

報道やSECの公開情報によると、今回の意見募集は連邦公報への掲載から60日間にわたって実施され、主に以下の3つの観点から市場参加者の意見を求めているとされています。

1つ目は、投資会社法(Investment Company Act of 1940)における投資会社としての適格性です。暗号資産やイベント契約といった、法律上の証券に該当しない資産を主に保有するファンドが、同法に基づく投資会社として定義されるべきかどうかが議論されています。

2つ目は、2019年に導入されたETFルール(Rule 6c-11)の適用範囲です。このルールは、一定の要件を満たすETFについて、個別の免除申請を経ずに迅速な上場を可能にするものですが、暗号資産やその他の新種ETFに対してもそのまま適用すべきか、あるいは新たな制限を設けるべきかが問われています。

3つ目は、登録プロセスの審査期間です。現在の60日から75日間の自動効力発生期間が、SECのスタッフが法的な問題点を十分に精査するのに適正であるか、または事前相談の義務化などが必要であるかについて意見が求められています。

予測市場ETFの現状と今後の影響

政治や経済の二者択一イベントに連動する予測市場ETFを巡っては、2026年2月にBitwise、Roundhill Investments、GraniteSharesなどの資産運用会社から複数の申請が行われたとされています。当初は2026年5月上旬にもローンチされる予定でしたが、SECはこれら商品の影響を慎重に検討するため、登録届出書の効力発生を一時停止しました。

アトキンス委員長は、これらの予測市場ETFについて、透明かつ慎重な方法で検討する方針を示しています。今回の60日間の意見募集を通じて寄せられる市場参加者からのフィードバックは、2027年以降の新種ETFの上場ルールや審査基準に直接反映される可能性があり、業界関係者にとって今後の動向が注目されます。

ポイント

  • 米SECが、暗号資産や予測市場などを対象とする新種ETF(novel ETFs)の規制および登録プロセスに関する意見募集を開始しました。
  • 米国ETF市場は2025年末時点で12兆ドル規模に達しており、急拡大する市場における投資家保護とイノベーションの促進を両立させることが目的とされています。
  • 証券ではない資産を扱うファンドが投資会社に該当するかどうかや、上場プロセスを簡素化する既存ルールの適用要件が主な議論の焦点となっています。
  • 2026年5月以降ローンチが延期されている予測市場ETFの取り扱いや、今後の新たな暗号資産ETFの審査プロセスに直接的な影響を与える可能性があります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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