日本円建て暗号資産インデックス「NADA」がテスト算出を開始 国内ETFのインフラ構築へ

N.Avenueと日鉄ソリューションズは、2026年7月2日に日本円建ての暗号資産インデックス「NADA暗号資産インデックス」のテスト算出を開始しました。このインデックスは、国内における暗号資産ETF(上場投資信託)や投資信託の組成・運用に必要なインフラとなることを目指して開発されたものです。両社は現在、データ参照を希望する金融機関や情報ベンダーなどのユーザー企業を募集しています。国内で暗号資産に関連する法整備が進む中、信頼性の高い円建て指標の誕生は市場の活性化に向けた重要な一歩とされています。

国内暗号資産ETFの実現に向けた「円建て指数」の必要性

日本円建て暗号資産インデックス「NADA」がテスト算出を開始 国内ETFのインフラ構築へ

日本国内では、暗号資産を組み込んだ金融商品の組成環境の整備が進められています。しかし、これらの金融商品を組成・運用するにあたり、NAV(純資産総額、または基準価額)の算出やパフォーマンス評価の基準となる「日本円建てのベンチマーク指数」が国内で不足していることが課題となっていました。

これまでは海外の外貨建て指数を為替換算して流用する方法がとられていましたが、この方法では日本市場特有の需給構造や流動性環境が反映されません。その結果、ETFのトラッキングエラー(指数と実際の基準価額のずれ)や執行コストの乖離を招く懸念が指摘されていました。

今回テスト算出が開始された「NADA暗号資産インデックス」は、こうした課題を解決し、国内の暗号資産市場の実態を正確に反映した、透明性と信頼性の高い日本円建て価格指標を提供することを目的に設計されています。

算出されるインデックスの概要と今後のスケジュール

テスト算出の対象となるのは、ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の日本円建て価格指数です。提供元の発表によると、1日1回算出される「NADAビットコイン指数(NBI)」や「NADAイーサリアム指数(NEI)」のほか、15秒に1回算出される「NADAビットコイン・リアルタイム指数(NBRI)」や「NADAイーサリアム・リアルタイム指数(NERI)」が用意されているとされています。

これらのリアルタイム指数は、ETFの推定純資産価格であるインディカティブNAV(推定純資産価格)の算出や、暗号資産デリバティブ(金融派生商品)の採用、暗号資産デリバティブを利用した仕組債(特別な仕組みを持つ債券)などへの応用が想定されています。

今後のスケジュールとしては、2026年8月から先行ユーザー企業へテスト算出データの参照提供が開始される予定です。その後、2027年1月には金融機関や情報ベンダーとのシステム接続およびインデックスの本格的な配信開始が計画されています。

ポイント

  • 国内初となる本格的な日本円建て暗号資産インデックスのテスト算出が開始されたことで、国内暗号資産ETFの組成に向けたインフラ整備が具体的に前進する点で注目されます。
  • 海外指数の為替換算では反映できなかった日本市場特有の需給や流動性を反映できるため、ETFのトラッキングエラーや執行コストの乖離を抑制できる点で注目されます。
  • 金融機関向けシステム開発で実績のある日鉄ソリューションズの技術力と、デジタル資産特化メディアを運営するN.Avenueの専門性が融合した、金融グレードのインデックスである点で注目されます。
  • 将来的にはビットコインやイーサリアムだけでなく、マルチアセット指数やその他のデジタル資産への展開も予定されており、多様な投資ニーズに対応できる点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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