ケンブリッジ大学の研究により、イーサリアムのノード活動の31%が米国に集中していることが明らかになりました。この割合は、ネットワークの取引を最終確定させる「ファイナライズ」が停止する臨界点(3分の1)に迫る規模です。さらに、ノードが特定のクラウドプロバイダーに集中していることから、法的な管轄権やカウンターパーティに関する懸念が生じています。
米国へのノード集中とファイナライズ停止のリスク
ケンブリッジの研究(ケンブリッジ・オルタナティブ金融センターによる調査とされています)によると、イーサリアムのノード活動の31%が米国に存在していると報告されています。
イーサリアムネットワークの仕組みとして、バリデータ(ネットワークの検証者)の3分の1以上が同時にオフラインになると、ブロックのファイナライズ(取引の最終確定プロセス)が停止する可能性があります。米国のシェアである31%は、この3分の1という閾値に極めて近い数値です。そのため、米国内での大規模なインフラ障害や規制強化がネットワーク全体の安定性に影響を与える可能性が指摘されています。
大手クラウドプロバイダーへの依存と管轄権の課題
本研究では、イーサリアムのノード活動がAWS(Amazon Web Services)、Hetzner、OVHなどの特定のクラウドサービスプロバイダーに集中していることも指摘されています。
このように特定のインフラや法域に依存することは、以下のリスクを伴うと見られています。
- カウンターパーティ(取引相手・サービス提供元)リスク:プロバイダーの規約変更や障害により、多数のノードが同時に利用できなくなる可能性があります。過去にはHetznerの利用規約でブロックチェーンノードの運営が禁止されていた事例もあるとされています。
- 管轄権(法域)リスク:ノードが特定の国(米国など)に集中していることで、その国の法規制や政府の介入を受けやすくなる懸念が生じています。過去には米証券取引委員会(SEC)が、ノードの地理的集中を理由に管轄権を主張した事例もあるとされています。
ポイント
- ケンブリッジの研究により、イーサリアムのノード活動の31%が米国に集中していることが判明しました。
- ノードの3分の1以上が同時にオフラインになると、イーサリアムのファイナライズ(取引の最終確定)が停止するリスクがあります。
- ノードの多くがAWS、Hetzner、OVHといった特定のクラウドプロバイダーに依存しています。
- 特定の国や企業へのインフラ集中は、法的な管轄権やカウンターパーティのリスクを高める要因として懸念されています。