英国政府が支援するトークン化タスクフォースに、ブラックロック、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーといった世界的な大手金融機関が参画しました。シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションが支援するこのグループは54社で構成されています。今後1年間をかけて英国の金融市場における実際のトークン化ユースケースの開発に取り組む予定であり、英国の金融インフラの近代化に向けた重要な一歩として注目されています。
54社の金融機関が結集、英国市場での実用化に向けた1年間のロードマップ
英国政府が推進するトークン化タスクフォースに、ブラックロック、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーなどを含む54社の金融機関が参加してグループが結成されました。シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションの支援のもと、このグループは今後1年間にわたり、英国の金融市場全体で実際のトークン化ユースケースに取り組む予定です。
この取り組みを主導する英国財務省の担当者が発表した報告書によると、タスクフォースは分散型台帳技術(DLT)を既存の市場インフラにどのように統合できるかを検証するため、初期段階として「トークン化レポ(債券などを担保にした資金調達取引であるレポ取引のトークン化)」に焦点を当てる計画であるとされています。
経済的価値の創出とグローバル競争力の維持
今回の取り組みは、英国が世界のホールセール(大口・機関投資家向け)金融市場におけるトークン化技術の導入を加速させ、国際的な競争力を維持するための重要な戦略的位置づけにあるとされています。
発表された報告書によると、トークン化市場の進展により、2035年までに英国の年間経済生産高が最大330億ポンド(約442億ドル)増加し、年間140億ポンドの税収をもたらす可能性があると試算されています。また、外部の予測として、ボストン・コンサルティング・グループ(BCG)は世界のトークン化RWA(現実資産)市場が2035年までに88兆ドル規模に達する可能性があると指摘しており、トークン化は将来のグローバル金融において莫大な経済的価値をもたらす分野と見なされています。
米国や欧州連合(EU)などの他地域でもトークン化の推進が進む中、英国は官民共同の強力なタスクフォースを組織することで、機敏に市場インフラの整備を進める狙いがあるものと見られます。
ポイント
- ブラックロック、ゴールドマン・サックス、JPモルガン、モルガン・スタンレーなど大手金融機関を含む54社が、英国政府のトークン化タスクフォースに参画しました。
- シティ・オブ・ロンドン・コーポレーションの支援のもと、今後1年間で英国金融市場における実際のトークン化ユースケースの検証を進める予定です。
- 初期フェーズでは、既存インフラへの技術統合を模索するため、トークン化レポ取引(担保付き資金調達取引)に焦点を当てるとされています。
- トークン化の進展により、2035年までに英国の年間経済生産高が最大330億ポンド増加する可能性があると予測されており、国家的な経済成長と競争力維持の観点から注目されます。