決済大手のStripeと投資会社Advent Internationalが、競合であるPayPalに対して530億ドル規模の買収提案を行ったことが報じられました。この報道を受け、ブロックチェーン開発を主導するPolygon Labsは、今回のディールが実現すれば主流の決済インフラがブロックチェーンへと移行する決定的な契機になるとの見解を示しています。同社は、今後数年以内に大半のお金が何らかの形でブロックチェーン上で存在し、移動するようになると予測しており、Web3業界における決済分野の地殻変動に注目が集まっています。
StripeとPayPalの統合がもたらすオンチェーン決済の可能性
報道によると、Stripeとプライベート・エクイティ企業であるAdvent Internationalは、PayPalに対し1株あたり60.50ドル、総額530億ドル以上での共同買収を提案したとされています。この巨大な提携案は、これまで個別にステーブルコイン決済インフラを拡大してきた両社のリソースが統合される可能性を示唆しています。
Polygon Labsは、このディールが実現すれば、従来の金融・決済インフラがブロックチェーン技術(オンチェーン)へと本格的に移行するマイルストーンになると指摘しています。両社の強力な決済ネットワークが融合することで、一般消費者が日常的にブロックチェーンベースのお金(デジタルマネー)を利用する未来が近づくと見られています。
両社が進めるステーブルコインインフラの拡充
StripeとPayPalは、それぞれ独立してブロックチェーン決済の基盤を強化してきました。
Stripeは、2024年にステーブルコインのインフラ提供企業であるBridgeを11億ドルで買収したほか、Polygon、Ethereum、Solanaなどのネットワークを介したUSDC決済をサポートしています。さらに、自社のレイヤー1ブロックチェーン(特定のプラットフォームに依存しない独立したブロックチェーン)であるTempoの開発も進めているとされています。
一方、PayPalは独自の米ドル連動型ステーブルコインであるPYUSD(PayPal USD)を展開しており、2026年7月にはPolygonのOpen Money Stack(オープン・マネー・スタック:ブロックチェーン決済を実用化するためのインフラツール群)上でPYUSDをネイティブにローンチしたばかりです。
このように、両社ともにステーブルコイン決済への関与を強めており、買収が成立すれば、非常に強力なオンチェーン決済インフラが一本化されることになります。
業界への影響とPolygonとのつながり
このディールは、Polygonのエコシステムにとっても大きな意味を持ちます。StripeはすでにPolygonネットワーク上でのステーブルコイン決済に対応しており、PayPalもPYUSDのPolygon対応を果たしたばかりです。さらに、Polygon Labsのチーフ・プロダクト・オフィサー(CPO)であるJohn Egan氏は、かつてStripeの暗号資産部門責任者を務めていた経緯があります。
今回の買収提案が実現すれば、Stripeの決済技術とPayPalの広範なユーザー基盤が組み合わさり、ステーブルコインを用いたクロスボーダー決済(国境を越えた送金・決済)などの実用化が一段と加速する可能性があると見られています。
ポイント
- StripeとAdvent Internationalが、PayPalに対して530億ドル以上の規模となる共同買収提案を行ったと報じられました。
- Polygon Labsは、このディールが実現すれば、今後数年以内に大半のお金がブロックチェーン上に移行する契機になるとの見解を示しています。
- StripeはBridgeの買収や自社チェーン開発、PayPalは独自のステーブルコインPYUSDのPolygon展開など、両社ともにオンチェーン決済インフラの強化を進めています。
- 提携の実現により、Stripeの決済インフラとPayPalの顧客基盤が統合され、ステーブルコインの実用化や普及が加速する可能性の観点から注目されます。