Multicoin CapitalがHyperliquidエコシステム内の取引プラットフォームTrasiaへ初の直接投資を実施

暗号資産ベンチャーキャピタルのMulticoin Capitalは、分散型金融(DeFi)プラットフォームのHyperliquid上に構築された、アジア市場向けのノンカストディアル型取引プラットフォーム「Trasia」への投資を行いました。シードラウンドにおける唯一の投資家として175万ドルを出資し、これはMulticoin CapitalにとってHyperliquidエコシステムにおける初の直接投資となります。Trasiaは、アジアのトレーダー特有のニーズに対応する分散型取引環境の提供を目指しており、今回の投資は同エコシステムの成長を促進する動きとして注目されています。

出資の概要とTrasiaのプラットフォーム開発

Multicoin CapitalがHyperliquidエコシステム内の取引プラットフォームTrasiaへ初の直接投資を実施

Trasiaの開発を担うTrasia Labsは、シードラウンドにおいて175万ドルの資金調達を完了しました。このラウンドにはMulticoin Capitalが唯一の投資家として参加しており、一部の報道ではTrasia Labsの評価額が3500万ドルに達したとされています。

Trasiaは、Hyperliquidのオンチェーンインフラ上で直接動作する、永久先物や株式(証券資産)の取引を提供するノンカストディアル(ユーザー自身が暗号資産を自己管理する仕組み)プラットフォームです。すでにWeb版の取引インターフェースが正式にローンチされており、中国語と英語の2言語に対応しています。さらに、モバイルファーストの取引が主流であるアジア市場の需要に応えるため、2026年8月にはモバイルアプリのリリースが計画されています。また、アジアの証券資産に焦点を当てた最初の「HIP-3」(Hyperliquid IP-3)規格に基づく市場の開始も予定されていると報じられています。

共同創設者Mable Jiang氏の経歴と設立の背景

Trasiaの共同創設者であるMable Jiang氏は、かつてMulticoin Capitalのパートナーを務めていた経歴を持ちます。その後、歩いて暗号資産を稼ぐアプリであるSTEPNの開発元として知られるFind Satoshi Lab(FSL)のCRO(最高収益責任者)を歴任しました。Jiang氏は2025年5月にFSLを退職した後、2026年5月に、2017年からWeb3開発に携わってきたEdison Chen氏とともにTrasiaを共同設立しました。

Jiang氏はTrasiaのWebローンチイベントにおいて、本プラットフォームがアジアの暗号資産ユーザーの具体的な取引習慣や好みに合わせて専用設計されていると説明しています。元パートナーが率いるプロジェクトへの出資という点でも、今回の提携は注目を集めています。

Hyperliquidエコシステムとアジア市場における重要性

Multicoin Capitalは、Hyperliquidのネイティブトークンである「HYPE」に対して以前から強い関心を示しており、同社のリキッドファンドにおける最大級のポジションの一つとして保有していることを公表していました。今回のTrasiaへの投資は、Multicoin CapitalがHyperliquidエコシステム内の個別プロジェクトへ直接出資する初の事例となります。

アジア市場は世界の暗号資産取引量において非常に大きなシェアを占めている一方で、欧米で開発されたプロトコルでは現地ユーザーへの対応が必ずしも十分ではないというギャップが存在すると指摘されてきました。Trasiaは、ユーザーが取引所に資産を預けることなく自己管理できるノンカストディアルの仕組みを維持しながら、アジアのトレーダーに適したローカライズされた取引環境を提供することで、この市場の隙間を埋める役割を果たす可能性があると見られています。

ポイント

  • Multicoin Capitalが、Hyperliquid上に構築されたアジア市場向け取引プラットフォームTrasiaに対し、シードラウンドで175万ドルの出資を行いました。
  • 今回の投資は、Multicoin CapitalにとってHyperliquidエコシステムにおける初の直接投資であり、エコシステム拡大への戦略的な関与を示すものとして注目されます。
  • 共同創設者のMable Jiang氏は、Multicoin Capitalの元パートナーであり、STEPN開発元であるFind Satoshi Labの元CROという実務経験豊富な経歴を持ちます。
  • Trasiaは、アジアのユーザーに適した中国語と英語対応のWebインターフェースをすでに立ち上げており、2026年8月にはモバイルアプリのリリースを計画しています。
  • アジアにおける高い取引需要と、欧米発プロトコルがカバーしきれていないローカライズ対応のギャップを埋めるノンカストディアル型プラットフォームとして、今後の普及が期待されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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