米国の資産運用会社グレースケールは、2026年7月17日に「グレースケール・ソラナ・ステーキング現物ETF(GSOL)」の信託契約を改定する目論見書補足書類を米国証券取引委員会(SEC)に提出しました。この改定は2026年8月7日頃に発効する予定で、これまでファンド内に蓄積されていたステーキング報酬を、少なくとも四半期に1回現金化して株主に直接分配する仕組みへと移行します。また、これに先立ち各種手数料の大幅な引き下げも行われており、投資家への還元率が大きく改善される見込みです。
ステーキング報酬の現金分配と手数料の引き下げ
GSOLは保有するソラナ(SOL)の100%をステーキング(ネットワークのセキュリティ維持に貢献し、報酬を得る仕組み)に充当しており、年間のグロスステーキング利回りは約6.1%とされています。新たな分配枠組みでは、このステーキング報酬を現金に換算し、スポンサー費用などを差し引いた純額が株主に分配されます。ただし、実際の分配額は各期間に受け取った報酬額に依存するため、確定額が保証されているわけではありません。
さらにグレースケールは、2026年6月25日付でGSOLのスポンサー手数料を0.35%から0.19%に引き下げました。同時に、ステーキング報酬に対する同社の取り分であるステーキング手数料も23%から7%へと大幅に削減しています。この手数料削減により、株主が受け取る実質的な利回りは大きく改善されると見られます。
GSOLの背景と競合他社との比較
GSOLは2021年11月に私募投資信託(プライベートプレースメント)として組成され、長期にわたり店頭取引のみで売買されてきました。その後、2025年10月29日にNYSEアーカ(NYSE Arca)への上場を果たし、個人投資家も取引所経由でアクセスできるようになりました。
今回の四半期現金分配の導入は、グレースケールが2026年1月から現金分配を開始したイーサリアムのステーキング現物ETFの枠組みを踏襲したものです。一方で、競合となる「REX・オスプレイSOL+ステーキング現物ETF」はすでに月次での分配を実施しており、分配の頻度という点では競合が先行している状況にあります。
日本国内における暗号資産ETFの展望
海外での暗号資産ETFの機能拡充が進む中、日本国内でも関連する法整備が進行しています。2026年7月15日には金融商品取引法(金商法)の改正案が成立し、暗号資産が初めて「金融商品」として定義されました。
これにより、2027年の改正法施行後に国内でも暗号資産ETFが解禁される見込みとなっています。さらに、2028年1月には申告分離課税20%の適用が予定されており、日本のWeb3ビジネスや投資環境にとっても大きな転換点になると見られています。
ポイント
- グレースケールがソラナステーキング現物ETF(GSOL)で、ステーキング報酬を四半期ごとに現金分配する仕組みを導入します
- 新たな仕組みは2026年8月7日頃に発効する予定で、投資家に報酬が直接還元される形に移行します
- スポンサー手数料を0.19%に、ステーキング手数料を7%に引き下げ、実質利回りの向上が図られています
- 競合ファンドが月次分配で先行する中、グレースケールはイーサリアムETFと同様の分配枠組みで対抗します
- 日本国内でも2026年7月の金商法改正成立により、将来的な暗号資産ETFの解禁と普及に向けた基盤が整いつつあります