分散型取引所(DEX)大手のUniswapにおいて、プロトコル手数料の適用範囲を拡大するための2つのガバナンス提案が、最終的なオンチェーン投票へと移行することが明らかになりました。今回の提案は、Uniswap v4での手数料導入および新興L2であるRobinhood Chainへの適用を目指すもので、投票は2026年7月19日から7月26日まで実施されます。承認された場合、発生した新たな手数料はすべてUNIトークンのバーン(焼却)システムへ統合され、トークンの価値獲得モデルが大幅に強化されると見られています。
提案の具体的な内容と対象範囲
今回のガバナンス投票にかけられるのは、主に2つの提案です。
1つ目は、2026年7月1日にメインネットがローンチされたArbitrum OrbitチェーンであるRobinhood Chainにおいて、Uniswap v2およびv3のプロトコル手数料を有効化する提案です。同チェーン上のUniswapは稼働開始から約10日間で累積取引高が10億ドルを突破したとされており、高い取引需要を背景に多くの手数料収入が見込まれています。
2つ目は、Ethereum、Base、Arbitrum、Robinhood Chain、BNB Chain、Polygon、Optimismの各ネットワークにデプロイされているUniswap v4において、プロトコル手数料を有効化する提案です。なお、その他のv4展開チェーンに関する3つ目の提案も、間もなく提出される予定であるとされています。
UNIバーンの技術的背景と仕組み
今回の提案によって新たに徴収されるプロトコル手数料は、2025年12月に実施されたガバナンス改革であるUNIficationによって構築された、既存のUNIバーンシステムへと全額がルーティングされる仕組みです。
具体的には、各チェーンで発生した手数料はTokenJarと呼ばれるコントラクトに一時的に蓄積されます。その後、外部のサーチャーが、ブリッジを介してUNIトークンをEthereumメインネットのバーンアドレスに送る仕組みと引き換えに、これらの手数料を回収します。これにより、複数のマルチチェーン環境で発生した取引手数料が、最終的にUNIトークンの供給量を恒常的に減少させるバーンへと還元されるエコシステムが機能することになります。
業界への影響と懸念されるリスク
Uniswapにおけるプロトコル手数料の導入は、Web3業界やUNIホルダーにとって極めて重要な意味を持ちます。
これまでUniswapは莫大な取引高を誇る一方で、その取引活動がUNIトークンの価値に直接還元されにくい構造、いわゆるトークノミクスの課題が指摘されてきました。今回の提案により、取引高の拡大がUNIのバーンに直結するため、トークンの経済モデルが強化されると見られています。
一方で、プロトコル手数料の徴収は、これまで流動性提供者(LP)に支払われていたスワップ手数料の一部をプロトコル側が回収することを意味します。このため、一部のLPや関連プロジェクトからは、LPの収益性が低下し、競合する他のDEXへ流動性が流出するリスクを懸念する声も上がっています。
ポイント
- Uniswapのプロトコル手数料をUniswap v4およびRobinhood Chainに適用する2つのガバナンス提案について、2026年7月19日から7月26日にかけて最終的なオンチェーン投票が実施されます。
- 承認された場合、発生した新たな手数料はすべて、昨年12月のガバナンス改革であるUNIficationで構築されたUNIバーンシステムに統合され、UNIトークンの流通量を減少させる仕組みに充てられます。
- 対象となるのは、新興L2であるRobinhood Chainでのv2・v3手数料の有効化、および主要7チェーンにおけるv4手数料の有効化です。
- 取引量が多いRobinhood Chainなどの手数料が加わることで、UNIのバーンペースが大幅に加速し、トークノミクスが大幅に強化される可能性がある点で注目されます。
- 一方で、手数料の導入により流動性提供者(LP)の取り分が減少し、競合DEXへの流動性流出を招くリスクについても議論がなされています。