金融庁は、「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の第1回会合を9月30日に開催すると発表しました。本フォーラムは、ブロックチェーン技術を基盤とした金融取引の社会実装と、金融機関におけるAIの健全な利活用を両面から検討する取り組みです。AIエージェントによる商取引の拡大や海外決済基盤への依存リスクに対応し、日本の競争力維持や経済安全保障を視野に入れた議論が進められます。
株式会社Pacific Metaが運営する編集チームです。ステーブルコイン、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン、NFTなどのトークン活用や、オンチェーン金融、AI×ブロックチェーン領域の事業開発・実装、暗号資産の基礎知識と国内取引所の使い方まで、ブロックチェーン事業の支援で得た知見をもとに記事の企画・執筆・監修を行っています。編集部や運営会社の詳細は公式サイトと編集方針をご覧ください。
エージェンティックコマース拡大に伴う社会実装の背景
今回のフォーラム始動の背景には、AIエージェントが自律的に取引を行う「エージェンティックコマース」の広がりがあります。こうした取引環境の進展に伴い、決済インフラには24時間365日の連続稼働や、商流・物流と連動するプログラム制御、高度な安定性と安全性が求められています。
また、海外の決済基盤に対する依存が強まった場合、日本の産業競争力の低下や経済安全保障上のリスクにつながる懸念が指摘されています。金融庁はすでに2026事務年度金融行政方針において、ブロックチェーン技術を基盤とするオンチェーン金融の社会実装を促す方針を公表しており、関係省庁等と連携して具体的な環境整備に着手します。
検討される具体策と2つの専門研究会
フォーラムでは、オンチェーン金融の社会実装に向けて、官民連携によるロードマップの作成が進められます。あわせて、決済高度化プロジェクト(PIP)の実証支援拡大や、日銀当座預金のオンチェーン対応といった具体的な施策についての検討も行われる予定です。
さらに、各種資産のトークン化やDeFi(分散型金融)関連のリスク低減策、AIの浸透を踏まえた市場監督の在り方についても議論が深められます。これらの課題については、「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」および「AI等の健全な利活用の推進に関する研究会」の2つの枠組みにおいて検討が進められる方針です。
ポイント
- 金融庁が9月30日に「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の初会合を開催し、ブロックチェーン技術を基盤とするオンチェーン金融の社会実装に向けた検討を本格化させる点で注目されます。
- AIエージェントが自律取引を行うエージェンティックコマースの進展を見据え、24時間365日稼働や商流・物流と連動したプログラム制御が可能な決済機能の確立が目指されています。
- 海外決済基盤への依存による経済安全保障リスクや競争力低下を回避するため、官民ロードマップ策定や日銀当座預金のオンチェーン対応、決済高度化プロジェクトの実証支援拡大が検討されます。
- 資産のトークン化やDeFiのリスク低減、AI環境下における市場監督については、設置された2つの研究会で並行して議論が行われる方針です。
総研プライム
ブロックチェーンを、
徹底的に読み解く。
技術の仕組み、企業の戦略、市場の構造まで。独自の調査・分析で掘り下げる専門レポート。
初月無料で読む