カストディアルウォレットとは何かご存知でしょうか?
本記事では、カストディアルウォレットとノンカストディアルウォレットの違いについて以下の点を中心にご紹介します!
- Web3における「ウォレット」とは?
- カストディアルウォレットとは?
- カストディアルウォレットのメリット・デメリット
カストディアルウォレットについて理解するためにもご参考いただけると幸いです。
ぜひ最後までお読みください。
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Web3における「ウォレット」とは?
Web3におけるウォレットは、ブロックチェーン上でデジタル資産を保管し、分散型アプリケーション(DApps)と連携できるウォレットの一種です。
これにより、ユーザーは中央集権型の取引所を介さずにデジタル資産を管理し、DAppsを利用できます。プライバシーとセキュリティが向上し、ユーザーによる完全な管理が可能とされています。
ウォレットはWeb3.0エコシステムにおいて中心的な役割を果たし、デジタル資産の保護と管理を担当しています。
しかし、「秘密鍵」の管理には慎重さが求められ、紛失や漏洩からの保護が重要です。
慎重にウォレットを管理することが、Web3.0の利用において不可欠です。
ウォレットで重要な「公開鍵」「秘密鍵」「シードフレーズ」についてわかりやすく解説
ウォレットの信頼を確保するために重要な要素は、「公開鍵」「秘密鍵」「シードフレーズ」です。以下で解説していきます。
「公開鍵」
公開鍵(Public Key)は、デジタル資産の送受信において重要な役割を果たす要素の一つです。これは、銀行口座のようなもので、他のユーザーがあなたにデジタル資産を送るために必要な情報を提供します。
公開鍵は、長い一連の英数字で表され、ウォレットアドレスとしても知られています。
この公開鍵を共有することで、他のユーザーがデジタル資産をあなたのウォレットに送信できます。
ただし、公開鍵を知っていても、そのユーザーはあなたのデジタル資産を操作できるわけではありません。それは、公開鍵とは別に「秘密鍵」が存在し、デジタル資産を操作するためにはこの秘密鍵が必要です。
秘密鍵は、ウォレットのセキュリティの鍵となり、誰かに知られてはならない機密情報です。
要するに、公開鍵は他の人がデジタル資産をあなたのウォレットに送るためのアドレスであり、秘密鍵はそのウォレットを制御するための鍵なのです。
公開鍵と秘密鍵は、ウォレットのセキュリティとデジタル資産の保管に不可欠な要素となります。
「秘密鍵」
秘密鍵(Private Key)は、秘密鍵は、デジタル資産を保管し、操作するための鍵です。ウォレットの重要な要素の一つであり、デジタル資産の送受信を行うために不可欠です。
秘密鍵は、銀行口座のパスワードに相当し、他の方に知られてはならない機密情報です。
一度秘密鍵が漏洩したり失われたりすると、それに関連するデジタル資産を完全に失う可能性があります。
秘密鍵は通常、長いランダムな文字列や数字から構成され、高度な暗号化技術で保護されています。
ウォレットの所有者は、この秘密鍵を厳重に秘匿し、オンライン上に保存したり他人と共有したりしないようにする必要があります。
また、秘密鍵のバックアップも重要です。
ウォレットを紛失した場合やデバイスが故障した場合に備え、秘密鍵のバックアップを作成し、信頼できる場所に保管することが推奨されています。
秘密鍵は一度生成されると再発行ができないため、その大切さを理解し、慎重に取り扱う必要があります。
「シードフレーズ」
シードフレーズ(Seed Phrase)は、ウォレットのセキュリティと復元において重要な役割を果たす鍵と言えます。
通常、シードフレーズは12語または24語の単語からなるランダムなフレーズで、ウォレットの作成時にユーザーに提示されます。
このシードフレーズは、ウォレット内のすべての秘密鍵やアドレスを生成するための基本的な要素です。
シードフレーズの主な役割は以下の通りです。
- セキュリティ
シードフレーズはウォレットの最も重要なバックアップであり、秘密鍵やデジタル資産へのアクセスを保護します。
このため、シードフレーズを秘密裏に保管し、他人に知られないようにすることが不可欠です。 - ウォレットの復元
ウォレットを紛失したり、スマートフォンやコンピュータを交換したりした場合、シードフレーズを入力することでウォレットを復元できます。
新しいデバイスにシードフレーズをインポートすることで、以前のウォレットの状態を再現できます。 - ウォレットの移行
シードフレーズはウォレット間で相互互換性があるため、別のウォレットに移行したり、異なるウォレットアプリを試したりする際に便利です。
シードフレーズを入力するだけで、デジタル資産を新しいウォレットに移行できます。
シードフレーズは非常に重要な情報であるため、信頼できる場所にバックアップして保管し、他人に漏洩しないように注意することが不可欠です。
シードフレーズが外部に流出すると、デジタル資産が危険にさらされる可能性が高まります。
カストディアルウォレットとは?
カストディアルウォレット(Custodial Wallet)は、デジタル資産を保管し、管理するためのウォレットの一種です。
特徴的な点は、このウォレットを提供するサービスプロバイダーまたはサードパーティが、ユーザーの代わりに秘密鍵を管理し、デジタル資産を保護することです。
ユーザーはカストディアルウォレットを利用する際に、自身の秘密鍵を直接管理する必要はありません。代わりに、サービスプロバイダーがユーザーの秘密鍵を保管し、ウォレットへのアクセスや取引を容易にします。
これは、使いやすさや利便性を提供する一方で、セキュリティの一部をサードパーティに預けることになります。
カストディアルウォレットは、一般的な暗号資産取引所で見られるウォレットタイプであり、多くの取引所やウォレットサービスが提供しています。
しかし、セキュリティに関しては、ユーザーが直接秘密鍵を管理するノンカストディアルウォレット(自己保管ウォレット)より、リスクが高まる可能性があるため、大切な資産を保持する際には検討が必要です。
カストディアルウォレットのメリット
カストディアルウォレットにはどのようなメリットがあるのでしょうか?
以下で解説していきます。
ユーザーが使用しやすい
カストディアルウォレットのメリットは、ユーザーが使用しやすいことです。ウェブサイト上でアカウントを作成するプロセスとほぼ同様に、カストディアルウォレットをセットアップできます。
新規ユーザーにとっても簡単で、暗号資産の世界へのアクセスが容易になります。
ユーザーは秘密鍵の管理やバックアップの必要がないため、技術的なスキルがあまり必要ありません。取引所やウォレットプロバイダーがセキュリティを管理し、ユーザーの代わりにデジタル資産を保護します。
そのため、初心者や非技術者でも簡単に暗号資産を管理できるのが大きな魅力です。
ただし、この利便性にはセキュリティの一部をサードパーティに預けるという側面もあるため、保有資産の性質や重要性に応じて適切なウォレットの選択が求められます。
カスタマーサポートの充実
カストディアルウォレットのメリットの一つは、充実したカスタマーサポートが提供されていることです。
誤操作トランザクションのキャンセルやパスワードの再設定など、ユーザーが困った際に迅速に対応できるサポート体制が整っている場合があります。
カスタマーサポートが手厚いカストディアルウォレットは、新規ユーザーや初心者にとって特に有益で、暗号資産の取引や保管に対するハードルを下げています。
そのため、便利なウォレットを選ぶ際に、カスタマーサポートの品質も重要な要素の一つとなります。
カストディアルウォレットのデメリット
カストディアルウォレットにもデメリットはあります。
以下で解説していきます。
第三者によって管理される
カストディアルウォレットのデメリットの一つは、第三者によって管理されていることから、悪質業者の攻撃対象になり得る点です。
しかし、信頼性のあるカストディアンは、このリスクに対処するために強力なセキュリティ基準を設けています。
そのため、デジタル資産を保護するためには、カストディアルウォレットを選ぶことが重要です。
また、政府の規制や法執行機関の要請により、一部のカストディアンはユーザーの秘密鍵を当局に提供することが求められる場合があります。
この点についてもユーザーは注意が必要であり、プライバシーに関する懸念が生じる可能性があることを認識しておくべきです。
トラブルが起これば資産を失う可能性がある
カストディアルウォレットは通常、頼りになるサービスですが、プラットフォームのシャットダウン、倒産、不正行為などのリスクが存在します。
これにより、ユーザーは資産にアクセスできなくなる可能性が生じます。
カストディアルウォレットは通常、順調に機能しますが、重要なトランザクション時に問題が生じると、資産を失うリスクがあることに注意が必要です。
ユーザーは信頼性の高いカストディアンを選び、セキュリティ対策を検討することが重要です。
ノンカストディアルウォレットのメリット
次にノンカストディアルウォレットのメリットを以下で分かりやすく解説していきます。
ユーザが秘密鍵を管理できる
ノンカストディアルウォレットは、ユーザーが自分の秘密鍵を自己管理できるため、ハッキングやプラットフォーム障害などのリスクに直接さらされることはありません。
ただし、全てのリスクから完全に免れることは難しく、秘密鍵の紛失や不注意によるセキュリティ侵害の可能性が依然として存在します。
ユーザーは慎重に秘密鍵を管理し、セキュリティを確保する必要があります。
セキュリティが高い
ノンカストディアルウォレットは高いセキュリティを提供します。
企業等がユーザーの資産を管理しないため、ユーザー自身が完全なコントロールを持ち、セキュリティを強化できます。
また、政府の規制にも強く抵抗すると見られ、ユーザーのプライバシーを保護する選択肢として注目されています。
しかし、セキュリティを確保する責任もユーザーにあり、適切な対策を講じることが不可欠です。
秘密鍵を慎重に保管し、セキュリティプラクティスを実践することが重要です。
ノンカストディアルウォレットのデメリット
ノンカストディアルウォレットのデメリットはどのようなものがあるのでしょうか?以下で分かりやすく解説していきます。
セットアップが困難である
ノンカストディアルウォレットのセットアップは、急速に簡略化されていますが、依然として一部のウォレットは複雑です。
たとえば、MetaMaskは5分でセットアップできますが、ハードウェアウォレットはセキュリティに配慮した手順が必要です。
秘密鍵を忘れると資金へのアクセスを失う
ノンカストディアルウォレットのデメリットとして、ユーザーが秘密鍵を紛失したり、盗まれたりした場合、資金へのアクセスを失うことが挙げられます。
自身で資産を管理することは責任を伴う重要な選択ですが、多くの方が資産の保護に必要な知識やセキュリティ対策を欠いている現実も考慮すべきです。
カストディアルウォレットの種類を解説!
カストディアルウォレットには様々な種類が存在します。
以下で解説していきます。
Fortmatic フォートマティック
Fortmatic(フォートマティック)は、カストディアルウォレットの一種で、Web3アプリケーションの利用しやすいように設計されています。ユーザーは従来のユーザー名とパスワードのように、Fortmaticを使用してWeb3アプリケーションに簡単にログインできます。
Fortmaticの利点は多岐にわたります。
まず、セットアップが簡単で、ユーザーは秘密鍵の管理やバックアップの心配をする必要がありません。
また、パスワードリセットのための手続きも不要で、ユーザーフレンドリーな操作性を提供します。
さらに、Fortmaticはセキュリティにも配慮しており、多要素認証や生体認証などの高度なセキュリティ機能を提供しています。これにより、ユーザーのデジタル資産やプライバシーを保護する役割を果たします。
Fortmaticは、Web3の普及とともに注目を集め、多くのWeb3アプリケーションで採用されています。その使いやすさとセキュリティ機能から、多くのユーザーに選ばれています。
しかし、どのカストディアルウォレットも一長一短があるため、ユーザーは自身のニーズに合ったウォレットを選択することが重要です。
Bitski ビツキー
Bitski(ビツキー)は、カストディアルウォレットの一つで、Web3.0のエコシステムに特化したウォレットサービスです。
ユーザーフレンドリーなインターフェースと強固なセキュリティを提供し、非常に使いやすいと評判です。
Bitskiを利用すると、ユーザーは自身のデジタル資産を保管し、Web3.0アプリケーションやDAppsにアクセスできます。これにより、NFTの取引や分散型金融プラットフォームへの参加など、ブロックチェーンテクノロジーを活用した様々な活動が容易に行えます。
Bitskiはウォレットのセットアップが簡単で、新規ユーザーにとっても利用しやすい特長があります。
また、カスタマーサポートも充実しており、トラブルが発生した場合でも迅速に対応してくれます。
しかし、カストディアルウォレットであるため、秘密鍵はユーザー自身で管理する必要があります。紛失や漏洩に備えて、慎重な管理が求められます。
また、ノンカストディアルウォレットと同様、セキュリティの責任はユーザー自身にかかる点に留意する必要があります。
ZenGo ゼンゴ
ZenGo(ゼンゴ)は、ユーザーフレンドリーなカストディアルウォレットの一例です。このウォレットは、秘密鍵の保管やセキュリティ設定を非常にシンプルにすることを目指しています。
ZenGoの最も注目すべき特徴は、顔認証やTouch ID、指紋認証などの生体認証技術を用いた、画期的なログインシステムです。これにより、ユーザーは複雑なパスワードや秘密鍵の管理から解放され、セキュリティを確保しながらも使いやすさを追求できます。
さらに、ZenGoは多くの異なるブロックチェーンやデジタル資産に対応しており、ユーザーは1つのウォレットで複数の資産を管理できます。
また、ウォレット内で簡単にトークンの購入やステーキングなどの操作も行え、ユーザーエクスペリエンスを向上させています。
ZenGoはユーザーにとって、セキュアで使いやすいカストディアルウォレットの一つとして注目されており、新たなユーザーにとっても敷居が低い選択肢となっています。
Binance Wallet バイナンスウォレット
Binance Wallet(バイナンスウォレット)は、仮想通貨取引所で知られるバイナンスが提供するカストディアルウォレットの一つです。
このウォレットは、バイナンス取引所のユーザーに対して容易な資産の管理手段を提供することを目的としています。
バイナンスウォレットの特徴の一つは、シームレスなバイナンス取引所との連携です。
バイナンス取引所のアカウントと連携させることで、簡単に資産の移動や取引が行えます。さらに、ウォレット内でステーキングや収益化などの操作も可能です。
セキュリティ面においても、バイナンスウォレットは高水準の保護措置を提供しています。ユーザーの秘密鍵は暗号化され、デバイスに保存されます。
また、二段階認証(2FA)などのセキュリティ機能も利用でき、資産を確保しています。
バイナンスウォレットは多くの主要な仮想通貨をサポートしており、ユーザーはさまざまなデジタル資産を一つのウォレットで管理できます。その利便性とセキュリティ性から、バイナンスウォレットは多くのトレーダーや投資家に支持されています。
ただし、ウォレットを利用する際にはセキュリティについての基本的な知識を持ち、慎重に操作することが大切です。
カストディアルとノンカストディアルウォレットの違いを分かりやすく解説
カストディアルウォレットとは、暗号通貨の秘密鍵を第三者に預けるタイプのウォレットです。例えば、仮想通貨取引所のウォレットがこれにあたります。
カストディアルウォレットの利点は、セキュリティの高さや使いやすさにあります。パスワードを忘れても、アカウントを復旧できる可能性があります。
しかし、欠点は、自身の資産を完全にコントロールできないことです。第三者によるハッキングや規制などのリスクにさらされる可能性があります。
ノンカストディアルウォレットとは、暗号通貨の秘密鍵を自分で管理するタイプのウォレットです。例えば、「メタマスク」や「ハードウェアウォレット」がこれにあたります。
ノンカストディアルウォレットの利点は、自身の資産をコントロールできることです。ユーザーは自身で秘密鍵を管理します。
また、ブロックチェーンと直接やり取りできるため、分散化やプライバシーが高まります。
しかし、欠点は、セキュリティの低さや、テクニカルな知識や技術的なスキルが必要な点です。
ノンカストディアルウォレットは自宅に現金を保管するに等しく、秘密鍵を紛失したり漏洩したりすると、資産を回復できない可能性があります。
カストディアルウォレットとはについてのまとめ
ここまでカストディアルウォレットについてお伝えしてきました。
カストディアルウォレットとはの要点をまとめると以下の通りです。
- Web3におけるウォレットは、ブロックチェーン上でデジタル資産を保管し、分散型アプリケーション(DApps)と連携できるウォレットの一種
- カストディアルウォレット(Custodial Wallet)は、デジタル資産を保管し、管理するためのウォレットの一種
- カストディアルウォレットのメリットは、「ユーザーが使用しやすい」「カスタマーサポートの充実」。
デメリットは、「第三者によって管理される」「トラブルが起これば資産を失う可能性がある」などがあげられる
これらの情報が少しでも皆さまのお役に立てば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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