Variantが2億2200万ドルの新ファンドを立ち上げ、暗号資産とAIによる自律性の拡張を目指す

暗号資産ベンチャーキャピタルのVariant Fund(バリアント・ファンド)は、新たに2億2200万ドル(約344億円、1ドル=155円換算)規模のファンド「Variant 4(バリアント4)」を立ち上げたと発表しました。同ファンドは、スタートアップの極めて初期段階で主導的に投資を行うほか、プロジェクトの成長に合わせた投資も行う方針です。今回の新ファンド設立に伴い、同社は従来の投資テーマであったデジタル所有権を拡張し、ユーザーが自身の生活や資産、アイデンティティをコントロールできる自律性の実現を新たなテーマに掲げています。

極めて初期段階のスタートアップを対象とする新ファンド「Variant 4」

Variantが2億2200万ドルの新ファンドを立ち上げ、暗号資産とAIによる自律性の拡張を目指す

バリアントが新たに立ち上げた「Variant 4」は、2億2200万ドル規模のベンチャーファンドです。このファンドは、スタートアップの可能な限り早い段階で主導的に投資を行うことを主な目的としています。さらに、プロジェクトが成熟するプロセスに応じて、流動性のある投資やグロース投資にも段階的に参加していく方針です。

バリアントはこれまで、パーミッションレス(誰でも自由に参加できる性質)な市場、オープンソースソフトウェア、コンポーザビリティ(複数の要素を組み合わせられる性質)、分散化、そしてユーザーに経済的リターンをもたらす仕組みに注力してきましたが、今回の新ファンドでもこれらの関心領域が引き継がれます。

デジタル所有権から自律性への投資テーマの進化

バリアントの創業者であるジェシー・ウォールデン(Jesse Walden)氏は、新ファンドの立ち上げに際して、同社の投資テーマを自律性を拡張する技術として再定義しました。同社はこれまでデジタル所有権を重視してきましたが、今回はそれをより広い概念である自律性の一部として位置づけ直しています。

バリアントの説明によると、自律性とはユーザーが自身の生活、資産、アイデンティティをどの程度コントロールできるかに関わる概念です。これは単なる自動化とは区別され、その技術が最終的にプラットフォームではなくユーザー自身に仕えるものであるかどうかが重要視されます。同社は、アクセス、知識、所有権の拡大を通じて、ユーザーにより大きな主体性を与える新たな市場、インフラ、アプリケーションへの投資を進めるとしています。

また、ウォールデン氏は、将来的には暗号資産投資家というラベルが消え去り、暗号資産がインターネットインフラのような普遍的な基礎的パイプラインになるとの見解を示しています。

AIエージェントと暗号資産の交差点における具体的な投資先

新ファンドのテーマである自律性の拡張は、近年の投資実績にも現れています [ソース1]。バリアントは、セルフカストディ型のAIエージェント向けメモリーソリューションを開発するHoncho(ホンチョ)や、生成された成果物の所有権とコンポーザビリティを可能にするエージェント向けクラウドのhere.now(ヒア・ドット・ナウ)といった、AIと暗号資産が交差する領域のスタートアップに投資しています [ソース1]。また、ユーザーの物理的位置を暗号学的に検証するOctet(オクテット)への投資も行っています [ソース1]。

これらは、イーサリアムやソラナといったパブリックブロックチェーン、Uniswap(ユニスワップ)やMorpho(モーフォ)などの金融マーケットプレイス、Phantom(ファントム)やWorld(ワールド)といった消費者向けプロダクトなど、同社が過去に行ってきた広範な投資実績の延長線上に位置づけられます [ソース1]。

暗号資産ベンチャーキャピタル業界全体では、a16zが5本目となる22億ドル規模のファンドを発表したほか、Haun Ventures(ホーン・ベンチャーズ)もAIエージェント経済や金融サービスを対象とする新ファンドを立ち上げるなど、AIとブロックチェーンの融合領域への投資活動が活発化しています [ソース1]。

ポイント

  • バリアントが立ち上げた新ファンドVariant 4は、2億2200万ドル規模で、極めて初期段階のスタートアップを主な投資対象とします。
  • 投資テーマを従来のデジタル所有権から、ユーザーが自身の資産やアイデンティティをコントロールできる自律性の拡張へと進化させています。
  • 単なる自動化ではなく、最終的にユーザーの主体性を高める技術であるかどうかをプロジェクト選定の重要な指針としています。
  • AIエージェント向けのメモリ技術やクラウド環境など、AIと暗号資産が融合する領域のスタートアップへの初期投資をすでに進めています [ソース1]。
  • 業界全体でも大手VCがAIエージェント経済やブロックチェーンの融合領域を対象とするファンドを相次いで立ち上げており、この分野への資金流入が加速しています [ソース1]。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

Pacific Metaマガジン編集部は、ブロックチェーン領域を中心に、RWA(リアルワールドアセット)、セキュリティトークン(ST)、ステーブルコイン、NFTなどのトークン活用や、AI×ブロックチェーン領域における事業開発・実装に関する情報を発信する編集チームです。株式会社Pacific Metaが、グループ累計260社以上・41カ国以上のプロジェクトを支援してきた知見をもとに、記事の企画・監修を行っています。

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