欧州連合(EU)の包括的な暗号資産規制「MiCA(暗号資産市場規制)」の移行期間が、2026年7月1日に終了します。この期限を過ぎると、EU内でCASP(暗号資産サービスプロバイダー)ライセンスを持たずに運営する暗号資産取引所、ブローカー、ウォレットプロバイダーは、直ちに業務を停止しなければなりません。現在、取引を許可されている認可取引所はわずか14社に留まっており、EUの暗号資産市場が大幅に縮小する懸念が高まっています。
MiCA移行期間の終了とCASPライセンスの義務化
EUにおける暗号資産の包括的な規制枠組みである「MiCA(Markets in Crypto-Assets regulation)」は、2026年7月1日をもって移行期間が終了します。この日以降、EU内で暗号資産取引所、ブローカー、またはウォレットサービスを提供するすべての事業者は、「CASP(Crypto-Asset Service Provider)」と呼ばれるライセンスを取得していることが必須となります。
ライセンスを取得していない事業者は、EU内での運営を即座に停止することが義務付けられており、市場への影響は避けられないと見られています。
認可取得の遅れと市場縮小の懸念
ライブのCASP登録簿によると、現在EU内で認可を受けている事業体は一部に留まっています。特に、ユーザーが取引を行える認可済みの暗号資産取引所はわずか14社とされています。
外部の調査データによると、2024年時点でEU全体に登録されていた約2,747社の仮想暗号資産サービスプロバイダー(VASP)のうち、実際にMiCAライセンスを取得できたのは全体のわずか7%から8%程度(約210社)に留まるとされています。この急激な事業者の減少により、EUの暗号資産市場は数週間以内に大きく縮小する可能性があると指摘されています。
なぜ多くの事業者がライセンスを取得できないのか
CASPライセンスの取得には、極めて厳格な基準をクリアする必要があります。具体的には、強固なガバナンス体制の構築、自己資本要件の維持、サイバーセキュリティ対策、顧客資産の保護、そして規制当局との継続的な対話などが求められます。
これらの要件を満たすためには多大な固定費がかかるため、特に小規模な暗号資産事業者やプロバイダーにとっては負担が重く、ライセンス取得への高い障壁になっていると見られています。
ポイント
- 2026年7月1日にEUの暗号資産規制「MiCA」の移行期間が終了し、未認可の事業者は即座に業務停止となります。
- EU内で取引サービスを提供できる認可済みの暗号資産取引所は、現時点でわずか14社に留まっています。
- 厳格なCASPライセンス要件(ガバナンス、自己資本、サイバーセキュリティなど)が、中小規模の事業者にとって高い参入障壁となっています。
- 認可事業者の少なさから、EUにおける暗号資産市場が今後急激に縮小する可能性が懸念されます。