メルカリとコインチェックが連携し12銘柄を追加、新サービス「CaaS」の開始で日常アプリへの暗号資産組み込みが加速

株式会社メルカリの子会社である株式会社メルコインとコインチェック株式会社は、2026年6月8日、メルカリアプリ上でコインチェックが取り扱う暗号資産12銘柄の取引が可能になる新サービスを開始したと発表しました。この連携は、同日にコインチェックが提供を開始した、暗号資産の交換業機能を外部に提供する「Coincheck CaaS(Crypto as a Service)」を活用して実現されました。日常的に利用される決済やフリマのアプリに暗号資産の売買機能が組み込まれることで、Web3の一般普及やユーザー層の拡大がさらに進むと期待されます。

メルカリアプリで新たに12銘柄が取引可能に、初心者層の「次のフェーズ」へ

メルカリとコインチェックが連携し12銘柄を追加、新サービス「CaaS」の開始で日常アプリへの暗号資産組み込みが加速

今回の連携により、メルカリアプリ上では従来のビットコイン、イーサリアム、エックスアールピー(XRP)の3銘柄に加え、新たにシバイヌやドージコインなど12銘柄の取引が段階的に可能となります。これにより、アプリ内で取引できる暗号資産は合計15銘柄に拡大します。

メルコインが2023年に開始した暗号資産取引サービスは、これまで累計口座数が400万を突破しています。メルカリの月間利用者数は約2300万から2400万人にのぼり、メルコインの利用者の約85%から9割が、それまで暗号資産取引の経験がない初心者ユーザーでした。

これまではユーザーが迷わず簡単に始められるよう取引銘柄を3種類に絞って「最初の一歩」を支援してきましたが、今回の銘柄追加によって、ユーザーが興味に応じて銘柄を「選び、集め、楽しむ」段階(第2フェーズ)へと移行することを目指しています。

暗号資産の組込型金融「Coincheck CaaS」の仕組みと技術的連携

新たに追加された12銘柄の取引は、コインチェックが同日に提供を開始した「Coincheck CaaS」を通じて実現しています。これは、暗号資産の売買やカストディ(保管:暗号資産を安全に管理すること)といった暗号資産交換業の機能を、API(ソフトウェア同士を連携させる仕組み)経由で外部のサービスに提供する「組み込み型金融」の仕組みです。

メルカリアプリ上では、メルコインがユーザーインターフェースなどの画面設計を提供し、裏側での売買執行やウォレット管理といった取引基盤をコインチェックが担う構造になっています。追加された12銘柄は、コインチェックのウォレット基盤上で管理され、ユーザーの取引相手もコインチェックとなります。

メルコインは、自社で直接銘柄を追加するのではなく、スピード感と安全性の高いクオリティを両立させるために、実績のあるコインチェックの技術基盤を活用する選択をしました。

新たな法制度と日常アプリの融合がもたらす業界への影響

今回のサービス展開の背景には、2026年6月1日に施行された「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」に関する新制度があります。この制度整備により、暗号資産交換業の登録を持たない事業者であっても、登録を受けた既存の交換業者の機能を活用して、自社サービス内に暗号資産の取引機能を組み込みやすくなりました。ただし、CaaSを利用して売買機能を提供するパートナー企業は、法令上、暗号資産交換業または電子決済手段・暗号資産サービス仲介業の登録を受けている必要があります。

また、国内では暗号資産規制を金融商品取引法(金商法)下へ移行する議論が進んでおり、7月17日までの今国会で改正案が可決・成立すれば、2027年度に施行される見通しです。

こうした制度整備と、日常的に利用される決済・フリマアプリとの融合が進むことで、暗号資産は一部の投資家だけでなく、より幅広い一般層へ浸透していくと見られます。今回のメルカリとコインチェックの提携は、仲介業の新制度を活用した業界の先駆的な参考事例として位置づけられます。

ポイント

  • メルカリアプリ上で、コインチェックが取り扱うシバイヌやドージコインなど12銘柄が追加され、合計15銘柄の取引が可能になりました。
  • コインチェックは、自社の暗号資産交換業のインフラをAPI経由で外部企業に提供する新サービス「Coincheck CaaS」を開始し、メルカリがその最初の活用事例となりました。
  • 2026年6月1日に施行された「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」の新制度により、交換業者と外部事業者の連携が法的に行いやすくなりました。
  • 金融商品取引法の改正案が今国会で成立すれば2027年度に施行される見通しであり、規制の整備と日常アプリを通じたユーザー接点の拡大により、暗号資産の一般層への普及がさらに進むと見られます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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