ビットコインの機関投資家による需要が、2020年以降で最も大幅なマイナスを記録し、過去最低水準に落ち込んでいることが明らかになりました。米国の現物ETF(暗号資産を裏付けとして取引所に上場する投資信託)からの継続的な資金流出や、新規に市場へ参入した大口投資家による巨額の損失確定が背景にあります。これによりビットコイン価格は下落傾向にあり、市場の警戒感が高まっています。
機関投資家の買い需要が過去最低を記録、ETFやマイナーからの流出が要因
Capriole Investmentsのデータによると、現物ETF、企業の財務部門、およびビットコインマイナー(採掘業者)の資金フローを統合した「ネット機関投資家購入」指標が、2020年の統計開始以来で最低となるマイナス464パーセントに下落したとされています。この指標を構成するすべての要素がゼロを下回っており、特に現物ETFの項目はチャート上で最低水準となるマイナス0.0126パーセントまで落ち込んでいます。アナリストの分析では、このように指標が大幅なマイナスを示すのは、市場での積極的な売却(分配)が行われていることを意味するとされています。
現物ETFの残高はピーク時から半減、13日連続の純流出を記録
Glassnodeのデータによると、米国のビットコイン現物ETFの合計残高は、ビットコイン価格が126,000ドル以上の史上最高値を記録した2025年秋のピーク時に約1,600億ドルに達していましたが、2026年6月までには約750億ドルまで減少したとされています。この減少にはビットコイン自体の価格下落も影響していますが、実際の資金流出も顕著です。米国のビットコイン現物ETFは6月初旬までに13営業日連続で純流出を記録し、その流出額は約43億ドルに達したとされています。
新規クジラが25億ドルの損失を確定、価格は6万1,000ドル付近へ下落
CryptoQuantのデータによると、この売り圧力はクジラ(暗号資産を大量に保有する大口投資家)と呼ばれる大口保有者にも及んでいます。ビットコイン価格が7万ドル台後半から6万ドル付近へと下落する過程で、新しく市場に参入した新規クジラのウォレットは約25億ドルの損失を確定させたとされています。一方で、長期保有している古いクジラはほぼ動きを見せておらず、今回の下落による痛手は主に高値圏で参入した新規の買い手に集中していると見られます。この新規クジラの層は、現物ETFを通じて参入した機関投資家と重なっている可能性が高いと指摘されています。ビットコイン価格は本情報の発表時点で前日比約2.7パーセント安、過去1ヶ月で約25パーセント安となる61,005ドル付近で取引されており、時価総額は約1.22兆ドルとなっています。
ポイント
- 機関投資家によるビットコインの純購入指標が、2020年の統計開始以来で最低となるマイナス464パーセントまで急落しました。
- 米国ビットコイン現物ETFの合計残高は、2025年秋のピーク時である約1,600億ドルから、2026年6月には約750億ドルへと半減しました。
- 6月初旬までの13営業日連続で現物ETFから約43億ドルの純流出が発生し、機関投資家の売り圧力が強まっていることが裏付けられています。
- 価格下落に伴い、高値圏で参入した新規のクジラ(大口投資家)が約25億ドルの損失を確定させ、市場のセンチメントを冷え込ませています。
- ビットコイン価格は一時61,005ドル付近まで下落し、過去1ヶ月で約25パーセントのマイナスを記録しています。