ブロックチェーンソリューションを提供する株式会社HashPortと、セキュリティ・トークンのプラットフォームを開発する株式会社BOOSTRYは、2026年6月11日、セキュリティ・トークン(ST)とアンホステッドウォレットの連携に向けた業務提携の検討を開始したと発表しました。本検討では、ST購入者に付与される優待トークンを、利用者自身が管理するアンホステッドウォレットで管理・利用できる仕組みの構築を目指します。急速に拡大する現実資産(RWA)やST市場において、投資家の利便性向上と発行体のコスト削減を実現する新しいユーザー体験の提供が期待されます。
提携の目的とアンホステッドウォレット活用のメリット
今回の共同検討では、セキュリティ・トークン(ST:ブロックチェーン技術を用いて発行されるデジタル化された有価証券)の購入者に対して付与する優待トークンを、利用者が自身で管理する「アンホステッドウォレット」で管理・利用できる仕組みを目指しています。
具体的には、ST本体とは別に、購入者向けの優待等に利用するユーティリティ・トークンをパブリックチェーン上で発行し、利用者のアンホステッドウォレットで管理できるようにする構想です。
この仕組みが実現することで、以下のメリットが期待されています。
- 発行体企業にとっては、優待の配布や管理にかかる運用コストを抑えやすくなります。
- 投資家にとっては、受け取った優待トークンをより手軽に、かつ自由に使いやすくなる可能性があります。
両社の実績と技術的な連携背景
今回の連携の背景には、両社がこれまで培ってきた技術と実績があります。
BOOSTRYは、ブロックチェーン技術を用いて有価証券等の権利を交換する基盤を開発・提供する企業であり、野村ホールディングスや野村総合研究所、SBIホールディングスなどが出資しています。同社はすでに、管理型のウォレットアプリ「ibet Wallet」において、ST購入者に対してホテルの宿泊優待といった優待トークンを付与した実績を有しています。
一方、HashPortはブロックチェーンの社会実装を支えるソリューションプロバイダーであり、大阪・関西万博における「EXPO2025デジタルウォレット」の提供など、非金融分野でのトークン発行やロイヤリティプログラムに関する豊富な知見を持っています。
今回の共同検討では、BOOSTRYが持つカストディアル(管理型)領域での優待付与の実績を、HashPortが強みを持つアンホステッド(非管理型)ウォレット領域へ応用していく方針とされています。
RWA市場の拡大と中期的な展望
背景には、現実資産(RWA)のトークン化やST市場のグローバルな拡大があります。現在、ステーブルコインを除く世界のRWA市場の時価総額は約300億ドル(約4.8兆円)に迫っており、日本国内のST市場も急速な成長を見せています。こうした中、今後は世界的なブロックチェーンエコシステムとの相互接続が求められるようになるとされています。
両社は中期的な展望として、優待トークンの管理にとどまらず、ST取引におけるステーブルコイン決済や配当の受け取り、残高および取引の管理などについても、アンホステッドウォレットを活用できるかどうか協議を続けるとしています。
ポイント
- HashPortとBOOSTRYが、セキュリティ・トークン(ST)購入者向けの優待トークンをアンホステッドウォレットで管理・利用するための共同検討を開始しました。
- パブリックチェーン上で優待用のユーティリティ・トークンを発行することで、発行体の運用コスト削減と投資家の利便性向上の両立を目指します。
- BOOSTRYが有するST発行・管理の知見と、HashPortが有するウォレット領域や非金融分野でのトークン活用の実績を掛け合わせることで、新しいST体験の創出を狙います。
- 急拡大するRWAやST市場を背景に、将来的にはステーブルコイン決済や配当管理へのアンホステッドウォレットの活用、さらにはグローバルなブロックチェーンエコシステムとの接続も視野に入れています。