米Kraken、CFTC規制下で初の暗号資産「永久先物」を提供開始:米国内のデリバティブ市場に大きな転換点

米国大手の暗号資産取引所Krakenは2026年6月15日、アメリカの対象顧客向けに、米商品先物取引委員会(CFTC)の規制下にある暗号資産の永久先物取引の提供を開始したと発表しました。これは親会社PaywardによるCFTC規制取引所Bitnomialの買収と、CFTCによる国内デリバティブ取引の承認を受けたものです。これまで取引の多くがオフショア(海外)で行われていた高需要な取引商品が、米国内の規制環境下で初めて提供されることになり、Web3業界における大きなマイルストーンとして注目されます。

Bitnomialの買収を基盤に「Kraken Pro」で統合的な取引環境を実現

米Kraken、CFTC規制下で初の暗号資産「永久先物」を提供開始:米国内のデリバティブ市場に大きな転換点

今回の永久先物取引は、Krakenの取引プラットフォームであるKraken Pro上で提供されます。対象となる顧客は、永久先物を現物取引、証拠金取引、およびCME(シカゴ・マーカンタイル取引所)上場先物と並んで、同一のインターフェース上で売買することが可能です。

このサービス提供の背景には、Krakenの親会社であるPaywardが最近完了した、CFTCの規制を受ける取引所Bitnomialの買収があります。Bitnomialは、米国内でデリバティブ事業を垂直統合して運営するために必要なCFTCのライセンス(取引所、清算機関、ブローカー)をすべて保有する初の暗号資産ネイティブ企業とされています。

今回の永久先物契約はBitnomialに上場され、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ソラナ(SOL)、エックス・アール・ピー(XRP)などの主要銘柄が対象となります。また、外部の報道によると、サービス開始時点の対象銘柄にはカルダノ(ADA)、チェーンリンク(LINK)、ドージコイン(DOGE)、ライトコイン(LTC)、アバランチ(AVAX)なども含まれているとされています。

永久先物取引の重要性と米国市場における規制の進展

永久先物(パーペチュアル・スワップ)は、満期や決済期日がなく、ポジションを無期限に保有できるデリバティブ契約です。レバレッジをかけた買い・売りのポジション(建玉)を維持できるのが特徴で、暗号資産デリバティブ市場で最も取引量が多い商品となっています。2025年には、その年間取引高が世界全体で60兆ドル(約9600兆円、1ドル=160円換算)を超えたとされています。

これまで米国内では、規制された環境で永久先物を取引できる選択肢が非常に限られていました。そのため、米国のトレーダーによる取引の多くがオフショアで行われていたという課題がありました。Kraken Proの責任者であるDarius Tabatabai氏は、「アメリカのトレーダーは、世界の暗号資産デリバティブ市場を定義する商品を、規制された国内環境で取引できる手段を待ち望んでいた」と述べています。

米国規制当局であるCFTCは、トランプ政権2期目における「アメリカを暗号資産の中心地とする取り組み」の一環として、国内デリバティブ取引の整備に注力してきました。先月末(2026年5月末)には、予測市場プラットフォームのKalshiによる米国初の公式ビットコイン永久先物の上場を承認したほか、Coinbaseに対しても永久型を模した5年満期の先物取引を認可しています。Krakenの参入により、米国内の規制されたデリバティブ市場の競争はさらに活性化すると見られます。

ポイント

  • 米大手暗号資産取引所Krakenが、米国内の対象顧客向けにCFTC規制下の永久先物取引の提供を2026年6月15日に開始しました。
  • 親会社PaywardによるCFTC規制取引所Bitnomialの買収により、Kraken Proの同一アカウント上で現物、証拠金、CME先物とともに永久先物を取引できる環境が整いました。
  • 永久先物は2025年の年間取引高が60兆ドルを超える暗号資産デリバティブ最大の市場であり、これまでオフショアに流出していた米国内の需要を国内規制下(オンショア)に取り込む重要なステップとなります。
  • トランプ政権2期目におけるCFTCの「米国を暗号資産の中心地にする」方針のもと、KalshiやCoinbaseに続く形で国内デリバティブ市場の規制整備と競争が急速に進展していることが示されています。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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