総合格闘技団体UFCは、米国建国250周年を記念した特別イベント「UFC FREEDOM 250」において、トランプ一族が関与するフィンテック企業World Liberty Financial(WLFI)を公式パートナーに迎えたことを発表しました。この提携に伴い、イベントで特に優れたパフォーマンスを見せた選手へのボーナスが、WLFIの発行する米ドル連動型ステーブルコイン「USD1」で支払われます。この取り組みは、スポーツビジネスにおける決済の迅速化や、実世界でのステーブルコインの活用事例として注目されています。
UFC FREEDOM 250の公式パートナーにWLFIが就任
2026年6月14日、米首都ワシントンのホワイトハウス南庭にて、米国建国250周年を記念する特別総合格闘技イベント「UFC FREEDOM 250」が開催されました。UFCはこのイベントの公式パートナーとして、トランプ一族が関与するフィンテック企業World Liberty Financial(以下、WLFI)が就任したことを発表しました。
WLFIは、同イベントにおける「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」ボーナスプールのプレゼンティングパートナーを務めます。このボーナスプールの総額は25万ドル(約3875万円、1ドル155円換算)となっており、特に優れたパフォーマンスを披露したUFC選手に対して、米ドル連動型ステーブルコイン(米ドルなどの法定通貨と価値が連動するように設計された暗号資産)である「USD1」によって支給されます。
銀行の営業時間に左右されない迅速な支払いを目指す
WLFIの共同創業者兼CEOであるZach Witkoff(ザック・ウィトコフ)氏は、今回の提携について、スポーツビジネスにおける決済の迅速化を強調しています。
Witkoff氏は、「ワシントンで勝利を収めたなら、銀行が開くのを待つのではなく、すぐに賞金を受け取れるべきだ」と述べており、USD1を使用することで米ドルへのアクセスをより容易かつ迅速にできると説明しています。また、スポーツビジネスの近代化に貢献してきたUFCと提携できることへの喜びを示し、これこそが金融の未来であるとの見解を表明しました。
WLFIとステーブルコインUSD1を巡るこれまでの動向
WLFIが発行するUSD1を巡っては、2026年に入り様々な動きが報じられています。
2026年1月13日には、USD1向けのレンディングプロトコル(暗号資産の貸付や借入を行う仕組み)の発表が行われました。さらに、2月19日にはApexステーブルコイン契約により、WLFIトークンがビットコインやイーサリアムを上回る10%の急騰を記録したとされています。
一方で、プロジェクトを取り巻く課題も存在しています。2026年4月22日には、ジャスティン・サン氏がトークン凍結を巡りWLFIを提訴したことが報じられました。また、直近の6月8日には、暗号資産取引所HTXがUSD1の上場廃止を決定するなど、法的な係争や取引環境の変化といった側面もみられます。
ポイント
- 米国建国250周年を記念した「UFC FREEDOM 250」で、トランプ一族関連のWLFIが公式パートナーを務めました。
- 優秀な選手に贈られる25万ドル分の「パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト」ボーナスが、米ドル連動型ステーブルコイン「USD1」で支払われます。
- 銀行の営業時間に依存せず、勝利後すぐに賞金を受け取れるステーブルコインの即時決済性が実用化された事例として注目されます。
- WLFIとUSD1は、レンディングプロトコルの発表など事業を拡大する一方で、一部取引所での上場廃止や法的な係争といった課題も抱えているとされています。