バイナンスのギリシャにおけるMiCAライセンス申請が却下か、EU市場でのサービス継続に不透明感

世界最大の暗号資産取引所であるバイナンスが、ギリシャで申請していた暗号資産市場(MiCA)規制のライセンスを却下される見通しであることが報じられました。EUの新たな暗号資産規制であるMiCAの移行期間が2026年7月1日に終了するため、ライセンスを取得できなければEU全域でのサービス提供が困難になる可能性があります。バイナンス側は要件を満たしていると主張しているものの、規制の厳格化に伴う業界の勢力図への影響が注目されています。

ギリシャ当局による却下方針の報道とバイナンスの現状

バイナンスのギリシャにおけるMiCAライセンス申請が却下か、EU市場でのサービス継続に不透明感

ロイター通信が2026年6月16日、事情に詳しい2人の関係者の話として報じたところによると、ギリシャの金融規制当局であるヘレニック資本市場委員会(HCMC)は、バイナンスによるMiCAライセンスの申請を却下する方針を固めているとされています。

バイナンスは2026年1月に、ギリシャの現地子会社を通じてライセンスを申請していました。同社の共同CEOであるリチャード・テン氏は、ギリシャの労働力の質や安全性の高さを評価し、欧州における規制上の拠点として同国を選定した経緯があります。しかし、今回の申請が却下された場合、バイナンスはEU全域での適法なサービス提供のためのライセンス基盤を失うことになります。

MiCA規制の本格導入とEU市場における重要性

EUが導入した暗号資産市場(MiCA)規制は、EU加盟国全体で統一された暗号資産サービスプロバイダー向けの規制枠組みです。MiCAの特徴として、いずれか1つの加盟国でライセンスを取得すれば、他のすべての加盟国でサービスを提供する権利(パスポート権)が得られる仕組みとなっています。

しかし、この制度の移行期間は2026年7月1日に終了する予定です。この期日までに適切なライセンスを保有していないプラットフォームは、規制当局からの是正措置や罰金、あるいはブラックリスト登録を避けるため、EUの顧客向けサービスを停止せざるを得なくなるとされています。バイナンスにとって欧州は極めて重要な市場であり、ライセンス取得の成否はビジネスの存続に直結する重大な局面を迎えています。

バイナンスの反論と今後の見通し

バイナンスの広報担当者は、同社が過去18ヶ月にわたって規制当局と建設的に協力してきた実績を強調し、MiCAが求めるすべての要件を満たしていると確信している旨を述べています。また、HCMCによる審査は完了しており、申請内容が基準に準拠していると理解しているため、現時点で却下を示す公式な通知は受け取っていないと説明しています。

一方で、HCMC側は機密保持義務を理由にコメントを避けています。現時点で正式な却下は発表されていませんが、もしこのまま不認可となれば、すでにMiCAライセンスを取得している競合他社へユーザーが流出する可能性が指摘されています。

ポイント

  • 世界最大の暗号資産取引所バイナンスがギリシャで申請したMiCAライセンスが、却下される見通しであると報道されました。
  • 2026年7月1日の移行期間終了に伴い、ライセンス未取得の取引所はEU全27カ国でのサービス提供が制限される可能性があります。
  • バイナンスは要件を満たしていると主張し、規制当局との協議を継続していますが、HCMC側はコメントを控えています。
  • 欧州市場での適法な運営権を失うことは、競合他社へのユーザー流出や、バイナンスの欧州戦略に甚大な影響を与える点で注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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