ケンタッキー州がKalshiとPolymarketを提訴、予測市場の規制権限を巡る連邦と州の対立が激化

ケンタッキー州の司法長官は、大手予測市場(特定の未来の出来事について予測し取引を行う市場)プラットフォームのKalshi(カルシ)とPolymarket(ポリマーケット)を相手取り、ライセンスを取得せずに違法なスポーツベッティング(スポーツの試合結果に対する賭け)を提供しているとして提訴しました。この動きは、予測市場の監督権限は連邦機関であるCFTC(米商品先物取引委員会)にあるとするトランプ政権の方針と対立するものです。暗号資産や金融サービスを提供する企業にとって、連邦規制と州法による二重規制の行方は、今後の事業展開に多大な影響を与える重要な局面となっています。

ケンタッキー州による提訴と提携企業への指摘

ケンタッキー州がKalshiとPolymarketを提訴、予測市場の規制権限を巡る連邦と州の対立が激化

ケンタッキー州のラッセル・コールマン司法長官は、KalshiとPolymarketが同州においてライセンスを取得せず、違法なスポーツブック(スポーツ賭博の運営元)を運営し、州法に違反していると主張しました。

さらに同州は、両プラットフォームおよびその提携企業が、州法で義務付けられているギャンブル依存症に関する支援サービスを提供していないことも問題視しています。この提携企業として、大手暗号資産取引所のCoinbase(コインベース)や、金融プラットフォームのRobinhood(ロビンフッド)、Webull(ウィブル)が名指しされています。

連邦規制機関と州政府による管轄権争いの激化

今回の提訴は、予測市場に対する規制の主導権を巡る、連邦政府と州政府の深刻な対立を浮き彫りにしています。

トランプ政権下において、CFTCのマイク・セリグ委員長は、イベント契約(予測市場で取引される契約)はCFTCの管轄下にあると主張しており、トランプ大統領も最近この立場を支持しました。

しかし、共和党色が強く、2024年の大統領選でトランプ大統領が64パーセントの得票率で勝利したケンタッキー州は、この連邦の方針と対立する形で提訴に踏み切りました。

これまで予測市場に対して法的措置を講じた州に対し、CFTCは州の賭博法の適用を阻止するため、連邦裁判所に訴訟を起こしています。CFTCはこれまでに8つの州を提訴しており、直近では2026年6月12日にニューメキシコ州を相手取って訴訟を起こしました。

業界全体へのビジネス上の影響と重要性

本件は、予測市場を提供するプラットフォームだけでなく、提携している主要な暗号資産・金融サービス提供企業にも直接的な影響を及ぼしています。

予測市場を巡る法的措置は他州でも相次いでおり、2026年3月18日にはアリゾナ州がKalshiを刑事訴追したほか、4月25日にはウィスコンシン州がKalshiやPolymarketなど5社を提訴しました。また、5月23日にはネバダ・ワシントン州訴訟で差し止めが認められないなどの判断が下されています。

州独自の判断による賭博法の適用と、連邦機関による一元的な規制方針のどちらが優先されるかは、米国でWeb3関連サービスを展開する上での大きな不確実性となっており、今後の司法判断が注目されます。

ポイント

  • ケンタッキー州がKalshiとPolymarketを、無許可でスポーツベッティングを提供したとして提訴しました。
  • 提訴では、提携先であるCoinbaseやRobinhood、Webullがギャンブル依存症支援サービスを提供していないことも指摘されています。
  • 予測市場の監督権限はCFTCにあるとするトランプ政権の方針に対し、共和党支持層の厚いケンタッキー州が対立する姿勢を示しました。
  • CFTCはすでにニューメキシコ州を含む8州を提訴しており、連邦と州による管轄権争いが激化しています。
  • 州法と連邦規制の対立は、米国内でWeb3や金融サービスを展開するビジネスパーソンにとって、重大な規制リスクとして注目されます。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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