米国の現物ビットコインETF(上場投資信託)において、過去30日間で過去最大となる約63億5,000万ドルの純流出が記録されました。Galaxy Researchのデータによって明らかになったこの動きは、機関投資家がリスク資産への露出を減らしている現状を示しています。しかし、その一方で直近の週間解約ペースは87パーセント減少しており、市場の売り圧力がピークを過ぎた可能性も指摘されています。
30日間で過去最大の資金流出を記録
Galaxy Researchのデータによると、米国に上場している現物ビットコインETFは、過去30取引日間で約63億5,000万ドルの純流出を記録しました。これは、2024年1月にこれらのETFがローンチされて以来、30日間の流出額としては過去最大規模とされています。
この流出により、現物ビットコインETFは6週連続の純流出を記録したことになります。Farside Investorsのデータによると、累積の純流入額は約534億ドルに減少しており、2025年10月に記録したピーク時の約630億ドルから引き揚げが進んでいる状況です。
資金流出の背景と市場への影響
この資金流出の背景には、複数のマクロ経済的および地政学的な要因があるとされています。米国債利回りの上昇や、米連邦準備制度による利下げ期待の後退、さらには地政学的緊張の高まりなどによるリスクオフのムードが、機関投資家をより安全な資産へと向かわせたと見られます。
また、ファンド間の構造的な要因も影響しているとされています。例えば、手数料の高いGrayscaleのGBTC(手数料1.5パーセント)からの資金流出が継続する一方で、手数料の低いBlackRockのIBIT(手数料0.25パーセント)への資金移動や、一部の投資家による利益確定売りが重なったとされています。
こうしたETFからの資金引き揚げを反映するように、ビットコイン(BTC)の価格は過去1ヶ月で約17パーセント下落し、現在は約64,167ドル付近で取引されています。
売り圧力の沈静化と長期的な展望
急激な資金流出が観測される一方で、直近のデータからは売り圧力が和らいでいる兆候も見られます。週間の解約(資金回収)ペースはピーク時から87パーセント減少しており、機関投資家による激しい売り局面は最悪の期を脱した可能性があるとされています。
また、世界最大の資産運用会社であるBlackRockの担当者は、ETFの短期的な資金流出は、必ずしも長期的なトレンドの変更を意味するものではないと述べています。同社はビットコインをグローバルな分散型資産として引き続き評価しており、短期的なボラティリティ(価格変動)によってその見解が変わることはないとしています。
ポイント
- 米国の現物ビットコインETFから、過去30日間で過去最大となる約63億5,000万ドルの純流出が記録されました。
- 資金流出は6週連続で続いており、マクロ経済の懸念や地政学的緊張を背景に、機関投資家がリスク回避の姿勢を強めたと見られます。
- ビットコインの価格はこの1ヶ月で約17パーセント下落し、約64,000ドル台で推移しています。
- 一方で、直近の週間資金流出ペースは87パーセント減少しており、売り圧力がピークを越えた可能性が示唆されています。
- BlackRockなどの大手発行体は、短期的な資金流出を一時的なものと位置づけ、ビットコインの長期的な価値に対する肯定的な見解を維持しています。