米CFTCとSECがデリバティブ定義の明確化に向け共同で意見募集を開始

米国商品先物取引委員会(CFTC)と米証券取引委員会(SEC)は、デリバティブ商品の定義や解釈を更新・明確化するため、共同でパブリックコメントの募集を発表しました。この取り組みは、暗号資産市場で広く取引されている無期限先物(パーペチュアル先物)や予測市場のイベント契約など、新たな金融商品の規制上の位置づけに大きな影響を与える可能性があります。両当局は、市場構造や金融商品の変化に適切に対応し、公正な競争とイノベーションを促進する環境を整えることを目指しています。

共同意見募集の背景と目的

米CFTCとSECがデリバティブ定義の明確化に向け共同で意見募集を開始

CFTCとSECは2026年6月18日、現在の規制定義や管轄枠組みが、変化する市場構造や金融商品、取引慣行に適切に対応しているかを検討するため、共同でパブリックコメントの募集を開始しました。

この意見募集では、スワップと証券ベース・スワップの定義、ミックスド・スワップの扱い、新興商品、管轄や解釈上の論点、規制上の境界線が不明確な分野、代替的なコンプライアンスの可能性などが論点として挙げられています。

特に注目されるのは、新興商品として予測市場プラットフォーム上のイベント契約や、無期限先物が含まれている点です。無期限先物は満期のないデリバティブ商品であり、暗号資産市場では海外を中心に広く取引されてきましたが、米国での規制上の位置づけをめぐる議論が強まっています。

規制当局が目指す公正な競争とイノベーション

CFTCのマイケル・S・セリグ委員長は、今回の共同募集について、ドッド・フランク法第7編における長年の曖昧さに対応する機会であると説明しています。セリグ委員長は、こうした曖昧さが公正な競争と責任あるイノベーションを妨げてきたと指摘し、SECとの連携を通じて管轄の線引きを明確にするとともに、協力を深める考えを示しました。

また、SECのポール・S・アトキンス委員長も、ドッド・フランク法第7編に関する定義上の問題、特にイベントベースの商品について、明確化は長く待たれていたと述べています。アトキンス委員長は、既存企業と新規参入企業が同じ条件で競争し、イノベーションを進められる環境を整える必要があると強調しています。

CMEグループによるCFTC提訴との関連

今回の両当局による動きは、世界最大級のデリバティブ取引所を運営する企業とされているCMEグループがCFTCを提訴したタイミングと重なっています。

CMEグループは、CFTCが米国の予測市場プラットフォームとされているカルシ(Kalshi)による米国での無期限先物取引を「先物契約」として承認した判断を問題視しています。CMEグループの訴状では、CFTCが無期限先物を承認する過程で「スワップ」の定義を実質的に上書きし、本来適用されるべき規制枠組みを回避したと主張しています。

無期限先物は、満期がなく、資金調達率(ファンディングレート)と呼ばれる仕組みによって現物価格との乖離を防ぐデリバティブ商品とされています。これが「先物」と「スワップ」のどちらに分類されるべきかという法的な争いが発生している中で、今回の共同意見募集が開始された形となります。

今後のスケジュール

このパブリックコメントの募集期間は、連邦官報に掲載されてから60日間と発表されています。

ポイント

  • CFTCとSECがデリバティブ商品の定義や解釈を明確化するため、共同でパブリックコメントの募集を開始しました。
  • 暗号資産市場で広く利用されている無期限先物や予測市場のイベント契約といった新興商品の規制上の位置づけが明確になる可能性がある点で注目されます。
  • 規制の曖昧さを解消することで、既存企業と新規参入企業が公正に競争し、責任あるイノベーションを促進できる環境づくりを目指している点で重要です。
  • CMEグループがCFTCによる無期限先物の承認をめぐって提訴した直後の動きであり、今後の規制の線引きがどのように整理されるかが業界にとって大きな関心事となります。

監修者:Pacific Metaマガジン編集部

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