イーサリアム(ETH)の財務企業であるビットマイン・イマージョン・テクノロジーズ(Bitmine Immersion Technologies、以下Bitmine)は、過去1週間で5万2203ETHを新たに取得したことを発表しました。これにより同社の保有量は567万2956ETHに達し、イーサリアムの総供給量の4.7%を占める規模となっています。同社は世界最大のETHトレジャリー企業(暗号資産を財務資産として保有する企業)であり、積極的な買い増しとステーキングによる運用強化を進めています。この動きは、企業の財務戦略として暗号資産を組み入れる新たなマイルストーンとして注目されています。
イーサリアム保有で世界最大規模、総資産は107億ドルに
Bitmineの発表によると、同社が保有する暗号資産、現金、投資資産を合わせた総資産は107億ドル(約1兆7120億円、1ドル=160円換算)に達しました。
保有するETHは1ETH=1733ドルで換算されており、このほかに205 BTC、現金および証券6億100万ドル(約962億円)が含まれています。また、ビースト・インダストリーズ(Beast Industries)やエイトコ・ホールディングス(Eightco Holdings)への出資持分も資産の一部となっています。
同社は、企業財務としてイーサリアムを保有する企業として世界最大であり、暗号資産の保有総額においてはストラテジー(Strategy)社に次ぐ世界2位の規模に位置しています。
資本市場を活用した資金調達とステーキングによる運用
Bitmineの財務戦略で特徴的なのは、資金調達の手法と、保有資産の積極的な運用(ステーキング)です。
同社は6月10日、年率9.50%の配当を付したシリーズA永久優先株350万株を1株80ドルで発行し、約2億7380万ドル(約438億円)を調達しました。このように資本市場から調達した資金を暗号資産の購入に充てることで、保有量を急速に拡大させています。
さらに、保有するETHの83%を超える471万8677ETHはすでにステーキング(ネットワークの維持に貢献し報酬を得る仕組み)に回されています。これにより、年率換算で約2億2300万ドル(約357億円)のステーキング収益を見込んでおり、保有資産の効率的な運用を実現しています。
「5%の錬金術」と今後の需要拡大への期待
Bitmineのトム・リー(Tom Lee)会長は、イーサリアム総供給量の5%を自社で取得することを目指す戦略「5%の錬金術(Alchemy of 5%)」を掲げています。同氏はこの目標の達成時期について、2026年内になるとの見通しを明らかにしました。
リー会長は、トークン化(現実世界の資産をブロックチェーン上でデジタル化する技術)や人工知能(AI)の急速な進歩に伴い、ブロックチェーンや分散型暗号資産に対する需要が今後飛躍的に拡大すると予想しています。「暗号資産にとって最高の時代はこれからだ」と言及しており、イーサリアムが将来的なデジタル経済のインフラとして不可欠な存在になると見込んでいる模様です。
ポイント
- Bitmineが過去1週間で5万2203ETHを買い増し、総保有量は567万2956ETHに達しました。
- 同社のETH保有量はイーサリアム総供給量の4.7%に相当し、ETHを保有する企業として世界最大の規模を誇ります。
- 保有するETHの83%以上をステーキングで運用しており、年間約2億2300万ドルの収益を見込んでいます。
- 永久優先株の発行によって約2億7380万ドルを調達するなど、資本市場を巧みに活用した財務戦略が注目されます。
- 2026年内を目標に、イーサリアム総供給量の5%取得を目指す「5%の錬金術」の達成に向けて動いています。