米上院は2026年6月22日、米連邦準備制度理事会(FRB)による中央銀行デジタル通貨(CBDC:国や地域の中央銀行が発行・管理するデジタル通貨)の発行を2030年末まで禁止する条項を含んだ住宅法案を可決しました [ソース1]。この法案は超党派の合意によるもので、下院での可決と大統領の署名を経て正式に成立する見通しです [ソース1]。欧州や中国がデジタル通貨の開発を推進する中、米国はプライバシー保護などの観点から慎重な姿勢を法的に明確にしようとしています [ソース1]。
住宅法案「21世紀住宅への道法」とCBDC禁止条項の概要
米上院で可決されたのは、住宅価格の適正化を目指す「21st Century ROAD to Housing Act(21世紀住宅への道法)」の改訂版です [ソース1]。この法案は、ティム・スコット上院銀行委員長やエリザベス・ウォーレン同委員会筆頭理事ら超党派の議員グループによって公表され、機関投資家による既存の一戸建て住宅の賃貸目的での買い占めを禁止するなどの内容が盛り込まれています [ソース1]。
その一部として、FRBによるCBDCの発行を2030年末までの4年間にわたり制限する条項が追加されました [ソース1]。法案が今後下院で可決され、ドナルド・トランプ大統領が署名すれば、この禁止措置が正式に発効することになります [ソース1]。なお、海外メディアの報道によると、上院での採決は85対5の圧倒的多数で可決されたとされています。
米国におけるCBDCへの懸念と政治的背景
米国では、政府が発行・管理するデジタル通貨に対して慎重な議論が続いています。ドナルド・トランプ大統領は2025年1月に、CBDCが「金融システムの安定性、個人のプライバシー、米国の主権を脅かす」として、連邦機関による導入の取り組みを禁じる大統領令に署名しています [ソース1]。今回の法案に盛り込まれた禁止条項は、こうした政権の方針やプライバシー保護に対する議会の懸念を反映した動きと位置づけられます [ソース1]。
また、米連邦準備制度理事会(FRB)の新たな議長とされるケビン・ウォーシュ氏も、CBDCを否定的な選択肢として言及しているとされています。
グローバルにおけるCBDC開発の進捗状況
米国がCBDCの導入に対して慎重な姿勢を強める一方で、他国では開発や実証実験が進行しています [ソース1]。
欧州では、欧州中央銀行(ECB)がデジタルユーロの開発を進めており、2027年に試験運用を開始、2029年の正式導入を予定しています [ソース1]。また中国では、中国人民銀行が発行するデジタル人民元の実証実験が行われています [ソース1]。
主要国間でデジタル通貨に対するアプローチの乖離が顕著になっており、米国の規制強化は今後の世界的な金融システムや、ステーブルコインをはじめとするデジタル資産市場の動向にも影響を及ぼす可能性があります。
ポイント
- 米上院が超党派の合意に基づき、FRBによるCBDC発行を2030年末まで禁止する条項を含む住宅法案「21st Century ROAD to Housing Act」を可決しました [ソース1]。
- この禁止措置は2030年末までの4年間に限定されたものであり、下院での可決とトランプ大統領の署名を経て正式に成立する見通しです [ソース1]。
- トランプ大統領は2025年1月にCBDCの取り組みを禁じる大統領令に署名しており、個人のプライバシーや主権を脅かすリスクが懸念されています [ソース1]。
- 欧州が2029年のデジタルユーロ導入を目指し、中国がデジタル人民元の実証実験を進める中、米国のCBDC禁止はグローバルな金融デジタル化の進展に影響を与える可能性があります [ソース1]。