ニューヨーク証券取引所(NYSE)の親会社であるインターコンチネンタル取引所(ICE)と、大手の暗号資産(仮想通貨)取引所であるOKXは、トークン化された金融商品およびデジタルネイティブな金融商品の次世代インフラ構築に向けた合弁会社の設立を発表しました。新会社は両社が50%ずつ出資して設立され、伝統的な金融市場の信頼性と最先端のブロックチェーン技術を融合させることを目指しています。規制当局の承認を前提に、米国で登録されたブローカーディーラーおよび先物取引業者(FCM:顧客の委託を受けて先物取引を行う業者)として運営される見通しです。この提携は、暗号資産のユーザー層に伝統的な金融商品へのアクセスを提供するものであり、伝統金融とデジタル資産の融合を加速させる重要な一歩になると見られます。
合弁会社の設立目的と提供されるサービス
今回の合弁会社設立は、2026年3月に発表されたICEからOKXへの戦略的出資および提携関係の構築を、さらに一歩進めるものとなります。新会社の主な目的は、OKXの米国内外の顧客に対し、ICEが運営する先物市場や、NYSEのトークン化された株式市場への直接的なアクセスを提供することです。
OKXは世界で1億2000万人以上の顧客を抱えるグローバルなブロックチェーン技術企業とされており、合弁会社を通じてこれらの幅広い顧客層へ規制に準拠した形で伝統的な金融商品を届ける計画です。さらに両社は、規制に準拠したブロックチェーン活用型市場に関する隣接領域での新たな事業機会についても共同で検討を進めるとしています。
規制準拠へのアプローチと元ニューヨーク州知事の参画
新会社は、ICEと元ニューヨーク州知事のアンドリュー・M・クオモ氏が共同で率いる体制をとります。クオモ氏はこれまでにニューヨーク州知事(第56代)、ニューヨーク州司法長官、米住宅都市開発長官といった行政および法執行の要職を歴任しており、2023年からOKXの支援や協力を開始していました。
クオモ氏は、金融市場の今後の発展において、技術革新と政府による規制が調和しながら前進することの重要性を強調しています。強固な規制準拠を前提とすることで、より近代的で透明性が高く、強靭な金融システムの構築を目指すとしており、ブロックチェーン技術が金融の民主化や十分なサービスを受けられていない人々への金融サービス提供に寄与することに期待を寄せています。
今後のスケジュールと展開
合弁会社は今後、米国における登録ブローカーディーラーおよび先物取引業者(FCM)としての運営開始に向けて、必要な規制当局の承認手続きを進める予定です。関連する報道によると、両社は2026年後半をめどに、OKXのユーザーに対してNYSEに上場するトークン化株式やデリバティブ商品を取引できる機能の提供を開始する計画であるとされています。
ポイント
・NYSEの親会社であるICEと暗号資産取引所のOKXが、出資比率50対50で次世代インフラ構築に向けた合弁会社を設立しました。
・規制当局の承認を前提として、米国で登録されたブローカーディーラーおよび先物取引業者(FCM)としての運営を目指します。
・OKXの利用者が、ICEの先物市場やNYSEのトークン化株式市場へ直接アクセス可能となる環境の整備が進められます。
・元ニューヨーク州知事のアンドリュー・M・クオモ氏が共同代表に就任し、規制準拠とイノベーションの調和を推進します。
・伝統的な市場インフラと暗号資産のエコシステムが融合する動きとして、今後の市場拡大や業界の標準化の観点から注目されます。