SBIグループが、日本円に連動するステーブルコイン「JPYSC」を週内にも発行する見通しであることが明らかになりました。発行に必要な金融庁の承認を得ており、信託会社が裏付け資産を管理する「信託型」としては国内初の発行となる見込みです。1回あたりの発行額に上限がない特徴を持ち、機関投資家やグローバル企業による大口決済や、将来的なリテール決済などでの活用が期待されています。
国内初の「信託型」ステーブルコイン、SBI新生信託銀行から発行へ
報道によると、SBIグループは日本円連動ステーブルコイン「JPYSC」の週内発行に向け、金融庁からの承認を取得しました。JPYSCは、SBI新生信託銀行が発行者となり、暗号資産交換業者であるSBI VCトレードが取り扱う予定です。
また、JPYSCはシンガポールのフィンテック企業であるStartale Group(スタートール・グループ)と共同で開発されたとされています。信託会社が裏付け資産を管理する信託型のステーブルコインとしては、国内で初めての発行事例となる見通しです。
大口取引を可能にする「3号電子決済手段」の特徴
JPYSCの最大の特徴は、改正資金決済法における「3号電子決済手段(特定信託受益権:信託銀行等が裏付け資産を受託して発行するステーブルコイン)」として発行される点にあります。
国内では2025年10月に、資金移動業者が発行する形態(1号電子決済手段)の日本円ステーブルコイン「JPYC」が初めて発行されましたが、この形態では1回あたりの発行額に100万円の上限が設けられています。
これに対し、信託型であるJPYSCは1回あたりの発行額に上限がありません。そのため、これまで制限のあった機関投資家や事業会社による大口の資金移動や決済での利用が見込まれています。
想定されるユースケースと今後の展開
JPYSCの主な利用対象として、国内のデジタル資産に投資する機関投資家や、国内外での決済需要を持つグローバル企業などが想定されています。
また、将来的にはQRコード決済などと組み合わせることで、飲食店や小売店における支払い手段として普及させる構想もあります。これに関連して、マルチ決済サービスを提供するネットスターズが、Startale Groupとの協業を通じてJPYSCの活用を検討していると報じられています。
さらに、利用者が購入したJPYSCをSBIに貸し出し、SBIがそれを運用することで利用者が金利収入を得られる、レンディング事業の展開も予定されていると報じられています。
国内のステーブルコイン市場においては、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行の3メガバンクも2026年度中の共同発行に向けた検討を進めていると報じられており、今後の市場競争の活性化が予想されます。
ポイント
- SBIグループが、金融庁の承認を得て日本円に連動するステーブルコイン「JPYSC」を週内にも発行する予定です。
- 信託会社が裏付け資産を管理する「信託型(3号電子決済手段)」のステーブルコインとして、国内初の事例となる見通しです。
- 1回あたりの発行額に上限がないため、機関投資家やグローバル企業による大口決済への活用が期待されます。
- 将来的にはQRコード決済との連携によるリテール分野への普及や、金利収入を得られるレンディング事業の展開が構想されています。
- 3メガバンクも2026年度中の共同発行を検討しており、国内の円ステーブルコイン市場の本格的な立ち上がりを象徴する動きとして注目されます。