ソラナチェーン上のミームコインローンチパッドであるPump.funを運営するBaton Corporation(バトン・コーポレーション)が、年俸最大500万ドルという高額な条件で最高法務責任者(CLO)の採用を進めていることが明らかになりました。同社は現在、米国での巨額の集団訴訟や、RICO法(組織犯罪取締法)違反の疑い、さらには各国規制当局からの厳しい監視に直面しています。急成長の一方で深刻化する法的リスクへの対応を強化する狙いとみられます。
背景:巨額の集団訴訟とRICO法違反の指摘
Baton Corporationは現在、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所において、複数の集団訴訟に直面しています。
これらの訴訟では、同プラットフォームを通じてローンチされたトークンが未登録有価証券に該当し、1933年有価証券法に違反していると主張されています。さらに、原告側はRICO法に基づき、同社が組織的な恐喝・違法行為(ラック企業)を運営しているとも主張しています。RICO法が適用された場合、損害賠償額が3倍に膨らむ可能性があり、訴訟規模は約55億ドルに達するとされています。
また、同社は2024年にイギリスの金融行動監視機構(FCA)による措置を受け、イギリス国内からのアクセス制限(ジオブロック)を実施するなど、欧米の規制当局による監視も強まっています。
最高法務責任者に求められる役割と高額な報酬
今回募集されているCLOの年俸は100万ドルから500万ドル(別途コミッションやボーナスあり)とされており、仮想通貨業界の法務幹部としては極めて高水準な条件が提示されています。
求人情報によると、CLOは主に以下の領域を統括することが求められています。
- 米国におけるデジタル資産規制(SEC、CFTC、FinCEN、OFACなどへの対応)
- プロダクトおよび商業法務の支援
- 英国の親会社や米国・国際子会社にわたるコーポレートガバナンス
- クロスボーダー・コンプライアンス(英国FCA、欧州MiCA、アジア太平洋地域など)
- AML/KYC(アンチマネーロンダリング/顧客本人確認)プログラムの統括や、訴訟・集団訴訟への対応
急成長の裏で露呈するコンプライアンスの課題
求人票から明らかになった情報によると、Pump.funは1日あたりの取引量が3億ドルを超え、昨年は100人未満のチームで5億ドル以上の利益を計上したとされています。2024年1月のプラットフォーム立ち上げ以来、取引手数料などから約8億ドルの収益を上げたとされており、急激に成長した暗号資産プラットフォームの一つとなっています。
しかし、その急成長の裏で、ミームコインの価格急落による一般投資家の損失や、ポンプ・アンド・ダンプ(価格の吊り上げと売り抜け)スキームへの関与が疑われるなど、プラットフォームの健全性に対する批判も高まっていました。
ポイント
- Pump.funを運営するBaton Corporationが、年俸100万ドルから500万ドルの高条件で最高法務責任者(CLO)を募集しています。
- 同社は、プラットフォーム上で発行されたトークンが未登録有価証券にあたるとして、米国で約55億ドル規模に上る集団訴訟やRICO法違反の指摘に直面しています。
- 募集されるCLOは、米国のSECや欧州のMiCA、英国のFCAなど、多国籍にわたる規制対応やコンプライアンス、進行中の訴訟手続きを統括することが求められています。
- 100人未満の組織で年間5億ドル以上の利益を上げたとされる急成長の裏で、法的リスクの管理体制構築が急務となっている状況が浮き彫りになりました。