マイクロストラテジー(MicroStrategy)社のビットコイン購入モデルに対する懸念が、暗号資産市場全体に波紋を広げています。ビットコインの価格下落に伴い、同社が発行する優先株STRCが額面から25パーセント急落し、市場を支えてきた資金調達の枠組みに対する懸念が強まりました。しかし、ブロックチェーン分析企業のアーカム(Arkham)は、構造上の理由からマイケル・セイラー(Michael Saylor)氏が強制売却の危機に直面しているわけではないと指摘しています。
優先株STRCの急落とビットコイン市場への影響
ビットコインの価格下落に伴い、マイクロストラテジー社が発行する優先株STRCが、額面から25パーセント急落しました。
STRC(通称Stretch)は、同社がビットコイン購入資金を調達するために発行した優先株であり、本来は1株100ドルの額面付近で安定した価格維持を目指す設計とされています。しかし、ビットコインの急落がこの優先株の下落を招き、一時約75ドルまで下落したとされています。
市場では、マイケル・セイラー氏のビットコイン購入モデルが機能停止しつつあるのではないかという不安が生じており、これがビットコインの売り圧力をさらに加速させる要因となっていると見られます。過去2年間にわたって世界最大の暗号資産であるビットコインの需要を支えてきた金融構造の一つに、亀裂が露呈した形となりました。
強制売却の危機は否定、Arkhamによる構造の分析
一方で、ブロックチェーン分析企業のアーカム(Arkham)は、今回のSTRCの急落がマイケル・セイラー氏や同社にとって直ちに強制売却(清算)の危機を意味するものではないとの見解を示しています。
アーカムの分析によると、STRCの配当支払いは同社の取締役会による承認を必要とする仕組みになっているため、優先株の価格が下落したとしても、セイラー氏がビットコインを強制的に売却せざるを得なくなるような清算メカニズムが発動することはないとされています。そのため、現時点で同社がビットコインの強制売却に追い込まれる可能性は低いと見られます。
ポイント
- マイクロストラテジー社の優先株STRCが、ビットコインの下落に連動して額面から25パーセント急落し、最低水準の約75ドルに達しました。
- 同社のビットコイン購入資金調達モデルに機能停止の懸念が生じたことで、ビットコイン市場全体の売りを加速させる一因となりました。
- STRCの急落は、過去2年間にわたりビットコイン需要を支えてきた金融構造の課題を浮き彫りにした点で注目されます。
- ブロックチェーン分析企業Arkhamは、配当の支払いが取締役会の承認に依存している構造から、マイケル・セイラー氏がビットコインの強制売却の危機に直面しているわけではないと分析しています。